2020 Fiscal Year Research-status Report
HSP90とがん幹細胞様細胞マーカーCD133の相互作用とがん治療抵抗性との関係
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18K15638
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
藤井 義大 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教 (20637540)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | がん幹細胞 / CD133 / HSP90阻害剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、放射線抵抗性細胞(CD133陽性細胞)におけるHSP90阻害剤の有効性を明らかにし、その作用機序を解明することを目的としている。CD133陽性細胞に対するHSP90阻害剤の有効性は、コロニー形成法により細胞の生存率が非常に低下することで確認している。HSP90の阻害剤は複数種類を試しており、1種類のみの特異的なものとは考えにくい。さらに追加でTAS-116でも実験を行っている。また、蛍光免疫染色法によりCD133タンパク質とHSP90タンパク質の細胞内での共局在の可能性も確認できたので、2つのタンパク質の細胞内での相互作用を示唆する実験データを得ることができた。そこで、2つのタンパク質の相互作用の有無の確証を得るために、免疫沈降法によりCD133タンパク質とHSP90タンパク質との相互作用の有無を確認中である。
現在のところ、相互作用は確認できておらず、実験条件等を検討中である。 また、CD133とHSP90との関係が直接的なものなのか間接的なものなのかを確認する実験の一つとして、siRNAをもちいてCD133もしくはHSP90をノックダウンした細胞においてHSP90阻害剤の効果(細胞の生存率)が変化するかどうかも確認中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
・当初の予想に反する実験結果がでたので、その検討とその後の方針決定のために時間が かかったため ・実験物品の配送の遅延等のため ・今年度も昨年度と同様に、昨今の新型コロナウイルスの影響のため
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Strategy for Future Research Activity |
現在、免疫沈降法によりCD133タンパク質とHSP90タンパク質との相互作用の有無を確認。 siRNAをもちいてCD133もしくはHSP90をノックダウンした細胞においてHSP90阻害剤の効果(細胞の生存率)が変化するかどうかも確認。 さらに、CD133陽性細胞へのHSP90阻害剤の有効性の詳細な作用機序を解明していきたいと考えている。
さらに、新たなHSP90阻害剤であるTAS-116でも同様の実験を施行予定である。
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Causes of Carryover |
今年度はやや実験の遅れがあり、使用予定の試薬や物品を使用しなかったため。 また、予定していた学会等にもコロナ禍や職場での急用のために参加できなかったため。
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