2019 Fiscal Year Research-status Report
心筋血流解析のための薬物動態デジタルファントムの開発
Project/Area Number |
18K15649
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
奥田 光一 金沢医科大学, 一般教育機構, 講師 (60639938)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 核医学 / シミュレーション / デジタルファントム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は核医学,MRI,CT検査で共用することが可能な擬人化模型(ファントム)をコンピュータ上で仮想的に作成し,画像化するシミュレーション環境を構築することである。この仮想ファントム(デジタルファントム)は,コンピュータ内で自由に人体の形状や臓器の動きを模し,さらに心筋に集積する放射性医薬品と造影剤の薬物動態および心筋での分布を数学モデルで再現させることである。 これまでに,1.デジタルファントムの構築方法を確立し,2.デジタルファントム構築およびシミュレーションコードの使用方法に関するセミナーを企画,3.核医学画像のテクスチャ解析におけるデジタルファントムの利用を2018年度に引き続き実施している。実績として,デジタルファントムを利用した研究論文を2報(現在投稿中の論文1報)した。また,YouTubeを用いたウェブセミナーを企画し,これらを記録した動画はこれまでに400回以上の閲覧履歴を有している。デジタルファントムを用いたテクスチャ解析の結果は,海外学会にて3回(ポスター発表2回,オーラル発表1回)の発表を行い,国内学会にてオラール発表1回を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度の目標は,1.心筋細胞/間質に流入する薬物の動態モデルの作成,2.デジタルファントムを使用したシミュレーション実験の研究グループ化であった。前者の動態モデルの作成についてはやや進捗が遅れている。その理由として,ヒトにおける心筋細胞/間質の薬物濃度と時間の関係(薬物濃度-時間曲線)の同定が困難であった。2020年度も継続して薬物濃度-時間曲線の同定を行う予定である。 後者のシミュレーション研究グループの構築については当初の計画以上に進展した。デジタルファントム作成およびファントムを利用したシミュレーションコードに関する研究グループを構築し,グループ研究で得た見識を一般に公開するため,YouTubeを使用したオンラインセミナーを企画した。また,このセミナーの内容はYouTube上にアーカイブを行っているため,研究者は必要な時に閲覧することが可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度の目標は,1.デジタルファントムと正常症例データとの比較,2.心筋血流が低下したデジタルファントムモデルの試作である。心臓およびその周辺臓器における細胞の薬物濃度と時間の関係(薬物濃度-時間曲線)を調べ, その関係をデジタルファントムにて再現を行う。正常例より決定した心機能指標,呼吸による臓器の変位量を使用し,体動が正常なデジタルファントムを作成する。放射性医薬品および造影剤の濃度を正常値の90%,75%,そして50%に変化させ,ファントムモデルで心筋細胞の障害を再現する。
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Causes of Carryover |
2019年度はアメリカ合衆国とカナダの海外学会に参加し研究発表を行ったが,連続する日程であったため,一回の渡航で二つの国際学会に参加することができた。そのため,旅費が圧縮され,旅費の計上額が予算より小さくなった。2020年度は論文執筆を積極的に行い,さらにオープンアクセス論文とするため,その費用に充填する予定である。
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Research Products
(11 results)
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[Presentation] Texture analysis of myocardial perfusion SPECT with a digital cardiac phantom.2019
Author(s)
Koichi Okuda, Kenichi Nakajima, Hisahiro Saito, Toshimune Ito, Akihiko Kikuchi, Hiroto Yoneyama, Takayuki Shibutani, Masahisa Onoguchi, Shinro Matsuo, Mitsumasa Hashimoto, Seigo Kinuya.
Organizer
ICNC
Int'l Joint Research
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