2019 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of cytoprotective effect of autophagy and its application for novel cancer therapy
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18K15653
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鈴木 基史 北海道大学, 薬学研究院, 助教 (90807801)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | オートファジー / 細胞周期チェックポイント / 放射線増感効果 / 膵がん |
Outline of Annual Research Achievements |
放射線をはじめとする様々なストレスはオートファジーと呼ばれる機構を誘導する。オートファジーは、ストレスを受けた細胞内成分を除去することで細胞を傷害から防護するとされている。また、オートファジーは細胞周期を制御することで遺伝的な異常の発生を防ぐことでも知られている。同様に、細胞周期の進行と直接的に関連して細胞を防護する機構として細胞周期チェックポイントが知られている。このように両機構は類似した機能を有するものの、両者の関係性についてはほとんど明らかとなっていない。 研究代表者は、平成30年度にX線を照射された膵がん細胞株において、オートファジーと細胞周期チェクポイントが同じタイミングで活性化することを明らかにした。またそれぞれの機構を特異的に阻害が可能な低分子化合物と放射線を併用した際に放射線増感効果が生じること、その効果はチェックポイント阻害剤を併用した時の方がオートファジー阻害剤との併用より強い増感効果が生じることを明らかにした。 令和元年度は両機構の相互メカニズムと放射線抵抗性への寄与の評価を行い、放射線照射後に生じるオートファジーが細胞周期チェクポイント依存的に生じること、またオートファジー依存的に細胞内ATP濃度が上昇することを見出した。以上の知見より、放射線照射後に生じるオートファジー活性は細胞周期チェクポイント依存的に活性化し、ATPを産生することで膵がんの放射線抵抗性の少なくとも一部に寄与することが示唆された。
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