2018 Fiscal Year Research-status Report
X線CT装置におけるビーム幅に影響しない出力測定法の開発と評価
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18K15656
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
福田 篤志 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (00811704)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | X線CT装置 / ビーム幅 / 出力測定 / 電離箱式線量計 |
Outline of Annual Research Achievements |
Z軸方向に広いビーム幅をもつX線CT装置の出力測定において,Z軸方向のビーム幅および回転速度に影響しない新しい出力測定方法を開発し,その精度の検証を行った. X線の出力は,X線管に印加された管電圧,管電流,照射時間,ターゲットの材質に依存し,理論的には照射野の大きさに依存しない.これを検証するするため,6-ccの電離容積を持ち,かつ時系列での線量波形の取得が可能な電離箱線量計をアイソセンターに設置した.CT装置の管電圧は80 kVp, 100 kVp, 120 kVp, 135 kVpの4種類とし,Z軸方向の照射野は40 mm, 80 mm, 120 mm, 160 mmと変化させた.各々の照射野に対する線量率のデータを取得し,照射野が0 mmとなる線量率を外挿法にて算出した(K0-w/o-A).次にX軸方向の照射野を制御するために,ガントリー下部に鉛で作成したコリメータを配置し,開口部を40 mmから80 mmまで8 mmずつ増加させて散乱線量率を変化させ,X軸方向の照射野が0 mmとなる線量率を外挿法にて算出した(K0-w-A).その結果,いずれの管電圧においてもK0-w/o-AはK0-w-Aと一致していることが判明した.得られたK0-w/o-AとK0-w-Aは測定値から散乱線が取り除かれており,Z軸方向のビーム幅および回転速度に影響しない出力測定が可能となった.この結果は散乱-直線線比の取得が可能であることを示しており,非常に有意義な結果であるといえる.しかし,これらの結果は6ccの電離箱にて得られた結果であるため,半導体線量計や,より小さな電離容積を持つ電離箱式線量計にて同じ結果が得られるかどうか,調査の必要がある.その点が今後の課題である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度に実施予定であった検討項目について,予定通り実施することができた.以上より「おおむね順調に進展している」と判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに解明できたZ軸方向に広いビーム幅をもつX線CT装置の出力測定を確固たるものにするために,その裏づけとなるデータ取得を継続的に行う.また,これらの手法を世界標準とすべく,学会発表および欧文誌での論文投稿を通して,広く世界に普及させることを目指す. 平成30年度に実施できなかった半導体検出器や,より小さな電離容積を持つ電離箱式線量計にて本手法が活用できるかどうかを継続的に検討していく.
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Causes of Carryover |
研究テーマは概ね予定通り進捗しているが、小型電離箱式線量計の所有ができていないこと,および研究成果の報告および論文執筆にかかる経費が次年度にずれこんだため、それに係る費用も次年度に持ち越しとなった.
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