2019 Fiscal Year Research-status Report
川崎病患者のイムノグロブリン大量療法不応答性に関与する遺伝要因の探索
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18K15666
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
天野 勇治 信州大学, 学術研究院医学系, 助教 (50624681)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 川崎病 / IVIG療法抵抗性 / 遺伝子解析 / pooled genome sequencing |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では川崎病患者のIVIG療法抵抗性に関与する遺伝子バリアントを同定し、IVIG抵抗性発生機序の解明及び川崎病急性期における治療選択指標の確立を目的とする。具体的には、①先行研究より見出したinterleukin-4 receptor(IL4R)の3’-UTRに位置する低頻度バリアントrs563535954がIL4R発現に及ぼす影響を明らかにし、IL4Rの発現量変化がIVIGによる抗炎症作用に与える影響について検討する。②先行研究で確立したpooled genome sequencingを駆使して新たなIVIG治療抵抗性に関与する遺伝的要因を同定する。 本年度は①rs563535954がIL4R発現量に及ぼす影響について精査した。前年度はrs563535954をヘテロで保有する患者PBMC及びEBV不死化B細胞を用いて解析を行ったが、rs563535954がIL4R発現に与える影響を捉えることが出来なかった。本年度は細胞種特異的な制御機構の関与に着眼した。IL-4を介するIVIGの抗炎症作用において、樹状細胞及びマクロファージが中心的役割を担っている可能性が高い。それ故、PMA-induced THP1 macrophageモデルを用いて解析を行った。結果、rs563535954領域に作用することが予測されるmicroRNA存在下で、IL4R mRNAが不安定化する傾向が確認されたが、有意差は得られず、rs563535954がIL4R発現に与える影響は軽微なものだという結論に至った。②昨年度行ったpooled genome を用いたエクソーム解析結果を再検証し、新たに198遺伝子領域を選出、その領域に対して高深度pooled genome sequencingを行った。その結果、新たに4つの候補バリアントを選出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
rs563535954マイナーアレルがIL4R発現に及ぼす影響を捉えられていない点が第一に挙げられる。新規感受性バリアント探索においては、昨年度と合わせて計6つの候補バリアントを見出しており、こちらはおおむね順調と評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
新規バリアント探索を進めるとともに、検証用コホートの検体収集を行う。
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Causes of Carryover |
細胞培養試薬やサイトカイン等の購入費が予定より少なく済んだため。 次年度に予定しているシーケンス試薬の購入費、シーケンサー等の学内共用機器使用料として使用する。
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Research Products
(1 results)