2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of high purity mesenchymal stem cell therapy for chronic lung disease model rat
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18K15672
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
和田 啓介 島根大学, 医学部, 医科医員 (60774338)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 間葉系幹細胞 / 慢性肺疾患 / 新生児 / SOD3 / アンギオポイエチン1 / CXCR4 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度での慢性肺疾患(CLD)モデルラットにおいて、肺組織からmRNAを抽出し、逆転写酵素でcDNAを作製した後に、リアルタイムPCRで相対定量を行い、スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)1やSOD3ではCLD群で低下がみられ、低酸素誘導因子(HIF)1ではCLD群で上昇がみられたことを報告した。2020年度では再現性の確認を行い、SOD1やHIF1の低下は再現性が見られなかったが、SOD3の低下のみ再現性を認めた。また、他の遺伝子についてもリアルタイムPCRで検討を行い、CLD群では、血管新生に関わるアンギオポイエチン1およびTie2の低下やアンギオポイエチン2の上昇を認め、間葉系幹細胞(MSC)のホーミングに関わるCXCR4の低下を認めた。また、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)の低下やハウスキーピング遺伝子として知られるグリセルアルデヒド3-リン酸脱水素酵素(GAPDH)の上昇を認めた。2019年度でも報告したが、TNFαやIL-1といった炎症性サイトカインの上昇はやはり見られなかった。 私のこれまでの実験で、高純度間葉系幹細胞(REC)や骨髄由来MSC(BMSC)や臍帯由来MSC(UMSC)の移植では、CLDを有意差をもって改善させることはできなかった。 また、これらの細胞移植以外にも抗酸化作用のある薬剤(ホルモノネチンや人参養栄湯)の経口投与による改善はできないかどうかの検討も行ったが、これらもCLDを有意差をもって改善させることはできなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「MCSがCLDに効く」という既報のようなデータが有意差をもって出ず、繰り返し条件検討を行ったが、やはり結果が出なかった。そのため、当初の予定していた実験を少し改変して行っているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
肺におけるmRNAの発現の低下している遺伝子(SOD3、アンギオポイエチン1、CXCR4)はいずれもMSCで発現している遺伝子であり、これらの遺伝子を過剰発現させたMSCを移植することで、CLDが劇的に改善するのではないかと考えた。 現在、これらの遺伝子を過剰発現したMSCを作成中である。今後、これらのMSCをCLDモデルラットに移植することで治療効果を検討していきたい。
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Causes of Carryover |
予想していた結果が出ず、繰り返して実験を行う必要があり、さらに新型コロナウイルスの流行により、予定していた実験が思うように進まなかった。そのため、予定していた必要物品を買わなかったため、次年度使用額が生じた。次年度では、その予定していた実験を行うため、それらに必要な物品を購入する予定である。
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