2018 Fiscal Year Research-status Report
小児プロテインC欠乏症の発症時期に関する包括的リスク評価
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18K15675
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
井上 裕文 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (70650604)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | プロテインC欠乏症 / 遺伝性血栓症 |
Outline of Annual Research Achievements |
山口県内の重症心身障がい児・者におけるプロテインC(PC)欠乏症の有病率を明らかにするため, 山口大学医学部附属病院を含む県内関連病院12施設および, 重症心身障がい児・者施設3施設に通院・もしくは入所している大島分類1~4に相当する患児・患者を対象とした血栓症関連の調査を行なっている.血栓症を疑う病歴や家族歴の確認, 定期検査時に血液凝固系検査を追加し, 遺伝子検査の対象をスクリーニングした.これまでに山口大学医学部附属病院を含む2施設40人のスクリーニングを行った.このうち, 34人中15人で下肢の深部静脈血栓症を認めた.またD-dimerの上昇を認めたのは2例のみであった.PC活性<75%は6例, プロテインS(PS)活性<60%は2例, 40例の平均PC/PS比は1.5であった.遺伝性血栓症の疑いがあり, 同意の得られた4人に遺伝子検査を施行したがPROC, PROS遺伝子の変異は認められなかった.引き続き各施設の対象患児・患者のエントリーを進め, 目標の100例を目指す. PC欠乏症の血栓症発症に関連する内的・外的因子を明らかにするため, すでに遺伝子検査でPC欠乏症と診断されている患児, およびdisease controlとして新生児・小児期に血栓症を発症し, かつ遺伝子検査でPROCの異常を認めなかった患児を前方視的に観察を行なっている.当院を含む2施設において, PC欠乏の患児を1例(PC活性を出生時よりフォロー), 新生児脳梗塞3例をエントリーした.これまで4例全例で新規血栓症の発症はなかった.新生児脳血管障害の患児を含めた小児の神経救急疾患におけるAmplitude-integrated EEGの有効性について学会発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
各施設におけるIRBの進捗が遅延している.また, 重症心身障害児・者の定期の血液検査に凝固能の精査を追加するため, 血液検査をするタイミングが年に1, 2回しかない場合に検査が遅延する例がみられる.
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Strategy for Future Research Activity |
各施設のIRB申請が終了後, 重症心身障害児・者のエントリーを行い, 目標の100例を目指す.これまでも複合ヘテロPC欠乏症において, 新生児期の他, AYA世代での発症の報告は散見されている.当該男子において, 思春期に入りPC活性が低下してきた機序について生活習慣, 性ホルモンなどの検査を追加し関連を調べる.
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Research Products
(3 results)