2018 Fiscal Year Research-status Report
川崎病モデルマウスにおけるテムシロリムスの効果や作用機序の検討
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18K15676
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
名西 悦郎 九州大学, 医学研究院, 助教 (40624937)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 川崎病 / 自然免疫 / mTOR阻害薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
川崎病は小児後天性心疾患の中で最も頻度が高く、冠動脈瘤などの後遺症をきたしうる疾患であるが、難治例に対する治療は未確立である。当教室が開発したNod1受容体リガンドによる川崎病モデルマウスにおいて、mTOR阻害薬であるテムシロリムスが冠動脈炎を抑制することを発見した。本研究は難治性川崎病に対する新たな治療法の開発に大きく寄与すると期待されるほか、mTOR阻害薬の単球・マクロファージに対する影響を解明し、その作用機序を明らかにすることで、川崎病のみならず各種血管炎に対する新たな治療戦略にも繋がると考えられる。これらの背景より、効果や作用機序を明らかにし川崎病新規治療法を開発することを目的にマウス実験、細胞実験などを組み合わせて研究を行った。 マウスモデルを用いた実験では、HE染色および心臓浸潤細胞のうちCD45陽性白血球をフローサイトメトリー法を用いて解析した。テムシロリムス濃度依存的に冠動脈炎領域が減少することや、心臓に浸潤した白血球、とくにマクロファージが著明に抑制されることを見いだした。また、テムシロリムスの作用点を検討するため、ヒト冠動脈内皮細胞をテムシロリムス存在下・非存在下にNod1リガンドで刺激し、ケモカイン、細胞接着分子、炎症性サイトカインの発現を解析した。単球に対する走化性因子であるCCL2、およびICAMやVCAMなど接着因子の発現に変化は見られなかった。一方で、テムシロリムス存在下ではNod1リガンド刺激後のヒト冠動脈内皮細胞からのCXCL10産生が著明に抑制された。これらの結果をふまえ、引き続き研究を継続していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ予定通りの研究計画で進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
申請時の研究計画に沿って実験を継続していくほか、テムシロリムスの有効性機序におけるCXCL10の関わりについて、ノックアウトマウスもしくは中和抗体を用いて検討を追加する。
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Causes of Carryover |
主に実験計画の順番変更に伴う使用額の変更が生じたが、最終的な費用についての変更はないと計画している。
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Research Products
(1 results)