2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Gene Therapy for Pediatric Neurological Diseases Using Adeno-Associated Virus Vectors
Project/Area Number |
18K15685
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
小島 華林 自治医科大学, 医学部, 准教授 (00468331)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | AAVベクター / 遺伝子治療 / 小児神経 |
Outline of Annual Research Achievements |
AADC欠損症はドパミン・セロトニン合成に必須の酵素AADCが先天的に欠損し、典型例は乳児期から運動発達が得られない常染色体劣性遺伝性疾患であり、我々はAADC欠損症に対してアデノ随伴ウィルス2型(AAV2)ベクターを定位脳手術により両側被殻へ注入する遺伝子治療を2015年から臨床研究として8名に治療を行った。(Kojima, et al, Brain 2019)。 本研究は現行のAADC欠損症遺伝子治療及び診断をより低侵襲・高効率とする方法の開発、遺伝子治療効果による器質的・機能的な変化の解析、他の遺伝性小児神経疾患に対する遺伝子治療の開発が目的である。 2023年度は、遺伝性小児神経疾患患者iPS細胞から大脳皮質オルガノイドを用い、神経発達過程の違いを解析することを目標とし、MECP2重複症候群患者iPS細胞由来の大脳皮質オルガノイドの経時的な遺伝子発現変化を解析した。 小児神経疾患の遺伝子治療法開発については、AAVベクターを用いて、MECP2重複症候群及びRett症候群に対するCRISPR―dCasシステムによる遺伝子治療を目指し、gRNAの選定を行なった。今後も遺伝子発現の調整ができる遺伝子治療開発を継続する。 AADC欠損症の遺伝子治療を行った患者は、8年間以上経過をフォローしており、全例運動機能・認知機能ともに改善している。ベクターによる有害事象はなく、被殻にベクターが定着していることを確認している。
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