2020 Fiscal Year Research-status Report
エピジェネティック制御機構破綻による小児AML発症機構の解明と新規治療薬の開発
Project/Area Number |
18K15687
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
山本 将平 東海大学, 医学部, 准教授 (90439480)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 急性骨髄性白血病 / 骨髄線維症 / エピジェネティック変異 / ASXL1遺伝子変異 / JAK2V617F |
Outline of Annual Research Achievements |
Additional sex combs like1(ASXL1)遺伝子変異は骨髄異形成症(MDS)などの血液疾患の要因である。ASXL1変異がJAK2V617F(MDS/PMFの原因遺伝子として知られている)に及ぼす機序を解明し、MDS患者に対する新規薬剤開発(分子標的治療薬など)につなげるべく本研究を提案した。ヒト急性骨髄性白血病 (AML)においてASXL1変異およびJAK2V617Fを有する患者の予後は不良である。Asxl1+/-マウスと、JAK2V617Fトランスジェニッ ク (JAK2V617FTg)マウスの2重変異(Asxl1+/-, JAK2V617FTg)マウスは同様にAMLを発症し、より重篤な表現型を呈した。さらにAsxl1+/-, JAK2V617FTgマウスは出生後早期に本態性血小板血症及び骨髄繊維症を認めた。前駆細胞であるBUF-E、CFU-E、CFU-MKはいずれも増加しており、ASXL1変異がJAK2V617Fと強調して骨髄繊維化を増 強させると考えた。本事象についてLeukemia誌に報告した (Guo Y, Zhou Y, Yamamoto S, et al. ASXL1 alteration cooperates with JAK2V617F to accelerate myelofibrosis. Leukemia 2019)。更に、新規治療薬開発のため、JAK2阻害薬、BAP1阻害薬などの候補薬剤を腹腔内投与し効果判定を行い、JAK2阻害薬の投与によって生存期間の延長が得られることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の仮説通りエピジェネティック制御機構の破綻がより重篤な血液悪性疾患の発症に関連することを確認し、更にはその前段階として本態性血小板血症および骨髄線維症の発症が関与していることを示した。薬剤の効果判定による新規薬剤開発が最終目標であるがコロナ禍もあり数種類の確認のみにどどまったため。
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Strategy for Future Research Activity |
H3K27me3の発現はAsxl1+/-, JAK2V617FTgマウスにおいて有意に低下していることを確認した。 以上より、 AMLの発症に、H3K27me3低下によるがん原遺伝子の脱抑制が関与していることが示唆された。本年度の成果においてJAK2阻害剤の効果は確認できたが、エピジェネティック制御に関わる新規薬剤の効果判定ができておらず進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍であり、薬剤効果判定の研究が進まず結果の公表に至らなかった。次年度は残った薬剤効果判定試験を継続して行い、研究結果を公表する。次年度研究費は残された研究と論文作成に使用する予定である。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] Hematopoietic stem cell transplantation for pediatric acute promyelocytic leukemia in Japan2020
Author(s)
Yamamoto S, Tomizawa D, Kudo K, Hasegawa D, Taga T, Yanada M, Kondo T, Nakazawa Y, Eto T, Inoue M, Kato K, Atsuta Y, Ishida H
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Journal Title
Pediatr Blood Cancer
Volume: 67
Pages: e28181
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Neurocognitive evaluation of Japanese childhood cancer survivors2020
Author(s)
Akiyama K, Ikezawa S, Hasegawa Y, Sugisita Y, Kaneko R, Okamoto N, Koganesawa M, Fujita S, Matsuno R, Toyama D, Ikeda H, Yamamoto S
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Journal Title
Showa Univ J Med Sci
Volume: 32
Pages: 25-32
Peer Reviewed
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