2018 Fiscal Year Research-status Report
多角的アプローチに基づくニーマンピック病C型の脂質代謝異常機構の解明
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18K15699
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
前川 正充 東北大学, 大学病院, 助教 (70572882)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ニーマンピック病C型 / 脂質異常 / LC-MS/MS / 質量分析 / ライソゾーム病 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、(1) ニーマンピック病C型 (NPC) に特徴的な脂質の解析に関する検討、(2) 細胞内異常代謝の局在に関する検討、(3) 脂質代謝の変動解析を進めた。 (1) ニーマンピック病C型に特徴的な脂質の解析に関する検討:既報で報告されていた未知脂質について、官能基特異的誘導体化を用いた構造式の絞り込みや、最新式のタンデム質量分析に基づく構造解析によって、構造式の絞り込みを行った。その結果、1つの構造式を推測するに至った。化合物の有機合成と血液を用いた同定作業も行った結果、新規脂質であると同定するに至った。 (2) 細胞内異常代謝の局在に関する検討:細胞内小器官の蛍光染色試薬を各種検討し、正しく細胞内小器官をトレースできることを確認した。次いで、PDMSやガラスなどの各種素材を元にした、分画用マイクロチャネルデバイスの作製に着手した。細胞の通過が可能であることを確認した。 (3) 脂質代謝の変動解析:抱合型コレステロール代謝物について、測定法を構築し、それを基に診断性能評価を行い、尿を用いたNPC診断が可能であることを見出した。また、メタボロミクス解析手法を用いて、NPC患者血液中の網羅的な脂質類解析を行い、健常人と異なるプロファイルであることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前述の研究実績の概要に示した通り、計画した研究内容3項目のいずれにおいても、順調にデータが得られておりため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り進める予定である。 (1) ニーマンピック病C型 (NPC) に特徴的な脂質の解析に関する検討については、予定した内容がほぼ完了しており、この進捗で十分当初の計画を遂行したと言える。 (2) 細胞内異常代謝の局在に関する検討に関しては、生化学的な手法についてもより多くの検討を加え、詳細な解析を続ける予定である。 (3) 脂質異常代謝の解析についても、継続的に網羅的な脂質解析を続けることで、より多くのデータを取得予定である。
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