2019 Fiscal Year Research-status Report
新たな病態概念に基づいたダウン症候群の中枢神経系病変の解析
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18K15709
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
南原 利彦 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (00812166)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ダウン症候群 / iPS細胞 / ゲノム編集技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
ダウン症候群では成人期に認知障害を高率に発症する。一般的に21番染色体上にある遺伝子コピー数が増えることによる‘遺伝子量効果’が合併症発症の原因と考えられているが、ヒトで出生可能な13,18,21トリソミー患者由来の皮膚線維芽細胞をもちいた研究により染色体異常そのものが引き起こす共通のストレス作用(トリソミー誘導性ストレス)が存在することが分かってきた。そこで本研究では、「ダウン症候群にみられる中枢神経病変は、21番染色体の‘遺伝子量効果’と、‘トリソミー誘導性ストレス’のふたつが作用することによって発症する」という仮説をもとに、疾患特異的iPS細胞と神経分化誘導、そしてゲノム編集技術を組み合わせてその検証を行う。 本年度の研究においては、神経細胞とアストロサイトのへの分化誘導を行い、それらの共培養系を確立することができた。アストロサイトでは、ダウン症による異常増殖が見られ、その遺伝子同定にも進むことができた。またダウン症アストロサイトには、NLRP3インフラマソームの亢進が見られた。このインフラマソームは、神経細胞に細胞死を誘導することが分かりつつある。またAβの添加により、この作用にさらに亢進が起こることが分かった。 一方、トリソミー誘導性ストレスについては、13,18トリソミーiPS細胞から樹立した神経細胞を調べることによって、さらに強い神経細胞死が起きていることが分かった。 次年度はこれらが神経細胞に与える影響について解析を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初想定されていたとおり、iPS細胞からの神経分化誘導とアストロサイト分化を行うことができ、しかも共培養系を確立することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
アストロサイトが神経細胞に与える影響について、詳細に調べる。
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