2018 Fiscal Year Research-status Report
ステロイド感受性ネフローゼ症候群の病態発症機序の解明
Project/Area Number |
18K15712
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
堀之内 智子 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (30754593)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 疾患関連自己抗体 / 単一遺伝子異常 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではこれまで発見されていない小児ステロイド感受性ネフローゼ症候群の発症に関与する自己抗体の発見や単一遺伝子異常によりステロイド感受性ネフローゼ症候群を発症しうるの分子の発見を目的とする。また、最終的には、それらの発見に基づいて疾患特異的な治療の開発を行うことを目指している。我々は既に小児ステロイド感受性ネフローゼ症候群の発症に関連する可能性のある分子をいくつか同定し得た。現在はその機能解析やそれらの分子のもたらす相互作用を明らかにする研究を進めているところである。その成果の一部は2018年6月に行われた日本小児腎臓病学会の学術集会や日本腎臓学会学術集会で発表を行った。また、2019年11月にアメリカで行われるASN Kidney Week 2019でもこれまでの成果の一部を発表する予定である。また、すでに我々は日本全国から検体収集を行い、ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群を対象としたNGS解析を施行している。中には遺伝子異常を有しながらも、免疫抑制剤や各種薬剤に反応し完全寛解もしくは部分寛解に至る症例もあることから、それらの症例が有する異常遺伝子の意義を解明したり、phenotype-genotypeの関連を明らかにすることによって、例えば変異の種類が異なることでステロイド感受性ネフローゼ症候群を発症する可能性も検討中である。発症に関与する可能性のある分子に関係した自己抗体の検出方法の確立も試みており、その検出が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
薬剤投与のない状態でのステロイド感受性ネフローゼ症候群の患者血清は10例の収集を予定しているが、現時点では4例の収集を行っている。引き続き収集を行い、解析に使用する予定としている。 また、家族歴を有する患者の解析に関しては現在解析対象とする症例を選定中である。
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Strategy for Future Research Activity |
我々は既に小児ステロイド感受性ネフローゼ症候群の発症に関連する可能性のある分子を同定しており、今後はその分子の機能解析とともに、その分子に関連する自己抗体を中心に探索をしていく予定としている。 家族歴を有するステロイド感受性ネフローゼ症候群の症例に絞って、ステロイド感受性ネフローゼ症候群の原因遺伝子同定のための解析もあわせて行う。
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Causes of Carryover |
自己抗体検出に関する解析は症例数が一定に達するまで留保しており、翌年度にまとめて行う予定としている。自己抗体検出に関する試薬等の物品購入に充てる予定である。
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