2018 Fiscal Year Research-status Report
新たな心拍変動解析法による低出生体重児の発達予後予測
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18K15717
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
加藤 育子 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (00613720)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 心拍変動 / 早産児 / 低出生体重児 / 発達障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体指標にはストレスに対する過渡的受動的変化の他に,生体の内在機能に起因する持続的な変動(ゆらぎ)が観察される。成人では心拍変動を周波数解析した結果を自律神経指標とした文献は多い。しかし、乳児では心拍数や呼吸数は明らかに成人と異なり、計測時安静状態を保つことは困難であるためこれまでに有効な解析方法は確立されていなかった。現在我々は、乳児の体動にも対応できる変動幅を利用した新たな心拍変動解析により生体内リズムを評価する方法を開発した。今回この心拍変動解析により低出生体重児の発達予後予測が可能かどうかを明らかにすることを目的としている。低出生体重児の出生率は々増加しているが、その生命予後は著しく改善している一方、学童期になると自閉症スペクトラム障害など発達の問題が顕著になることが近年課題となってきている。乳児期早期から発達予後を予測する方法を確立することは重要な課題であり、本研究はその基盤となると考える。 ①心電計による測定;通常NICU入院中の児には常時心電図モニターが装着されており、入院中はそのままの電極を使用した。入院以外の乳幼児に関しては、安全に配慮して医療用のディスポーザブル心電図電極を装着し、児や養育者の行動を極力妨げない小型無線多機能センサーを使用して心電計測を行った。心拍変動はその性質上児の覚醒状態により大きく変化してしまう可能性があり、検証のために画像撮影も同時に行う。 ②R波の検出;乳幼児の狭小なR波を検出するためにサンプリング間隔を定め、R位置検出ミスが多く発生するため、プログラム開発を行って検出率を高めてきた。 ②心拍変動解析;事前研究にて、日齢によってR-R間隔の変動幅は大きく変動することが判明している。乳幼児に特化した解析方法を種々検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は様々な在胎週数や、修正月齢の異なる児の心拍の抽出をおこなった。また、小型無線多機能センサーを使用して心電計測を行った。そのサンプルデータをもとに、乳児でR波を確実に検討できるサンプリングインターバルを特定した。現在それに従ったサンプリングインターバルでの計測を繰り返し行っており、心拍変動解析を進めているとことである。 今までの心拍変動解析のみではなく、新たな方法を現在模索中である。 また、R波を検出しやすいソフト開発も行っており、多くの場合で現医療システム異常の検出率を出すことが可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在開発しているR波検出ソフトを使用し、今まで保存した各段階における心拍データを解析をすすめていく予定である。 多くのデータを処理していく過程において、必ず困難があると考えられるため、まずはシステム開発に時間を要する予定である。
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Causes of Carryover |
本年度、システム構築を目指し、データ収集を確実にすすめるためデータ解析のための人員を確保する予定であったが、その適任者を見つけることができず、想定していた人件費がかからなくなっていた。次年度では補助員を配置し、データ抽出がさらに確実に早く行えるように計画している。
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