2018 Fiscal Year Research-status Report
ユビキチンE3リガーゼ複合体を標的とした乳児血管腫の新規治療薬の探索
Project/Area Number |
18K15718
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
手束 真理 愛媛大学, 医学部附属病院, 医員 (40527511)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | CUL3型ユビキチンE3 / 血管新生 / 血管内皮細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
SPOPとDAXX、EHD1とANKFY1の結合阻害剤を探索するために、ビオチンを付加したSPOPとEHD1、FLAGタグを付加したDAXXとANKFY1をコムギ無細胞タンパク質合成系により大量合成した。パイロットスクリーニングを実施した結果、SPOP/DAXXの結合に関しては、極めてhigh-through put性が高く、大規模スクリーニングに耐えうる検出系である事が分かった。一方で、ANKFY1/EHD1の結合に関しては、毎回のアッセイのシグナル値が大きく振れ、high-through put性に乏しい事が明らかになった。現在、系のvalidationを進めている。次に、血管新生時におけるSPOPの機能を詳細に解析するために、ヒト血管内皮細胞HUVECにおいてSPOPの発現抑制及び、過剰発現実験を実施した。その結果、SPOPの発現抑制によって、血管新生が著しく阻害され、SPOPが血管新生に必須である事が分かった。一方で、SPOPの野生型及び、DAXX結合能欠失型を過剰発現しても血管新生には大きな異常は見られなかった。この結果は、SPOP自身は血管新生に必須であるが、SPOPが血管新生のプロセスでは他の機能性分子と強調して機能している事を強く示唆するものである。現在、SPOP及び、ANKFY1依存的な血管新生の分子基盤解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
大規模な化合物ライブラリーを用いたSPOPとDAXXの結合阻害剤スクリーニングの系は構築できたが、ANKFY1/EHD1の結合阻害剤スクリーニングの系が構築できていないため。現在、イオン強度やタンパク質合成液の種類などの条件検討を細かく精査中である。後者のスクリーニング系が完成次第、化合物スクリーニングを実施する。ANKFY1/EHD1の結合阻害剤スクリーニングができない場合に備えて、申請者らが同定してきた他の血管新生制御分子群 (BAZF/CBF1、KCTD10/RhoB)に対する制御剤の探索も準備する。
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Strategy for Future Research Activity |
ANKFY1/EHD1の結合阻害剤スクリーニングの系のvalidationを早急に進める。同時に、申請者らが見出してきた他の血管新生制御分子群 (BAZF/CBF1、KCTD10/RhoB)に対する制御剤探索の準備を進める。具体的には、SPOP/DAXX同様に、コムギ無細胞タンパク質合成系を用いたアルファスクリーンの系を用いて、結合を検出する系の構築を行う。また、ヘマンジオーマ組織における血管新生制御分子群の発現を組織染色法により調べるため、SPOP/DAXX、ANKFY1/EHD1、BAZF/CBF1、KCTD10/RhoBの8分子の抗体のvalidationを進めておく。具体的には、各8分子のリコンビナントタンパク質を合成し、組織染色に用いる抗体と混合した状態で組織染色に供する吸収実験を行う。
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