2021 Fiscal Year Annual Research Report
Cerebral circulatory control in response to perinatal stress in late preterm infants
Project/Area Number |
18K15722
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
津田 兼之介 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (20727507)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 新生児 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,子宮外環境における様々なストレスの積み重なりが脳循環制御の破綻へと導き,高次脳機能障害につながるという仮説に基づき,経験的に正常範囲内と認識している胎外環境への適応過程のなかで,脳循環をはじめとしたホメオスタシスがどのように調節されているのか,そして逸脱するのかMRIや発達障害とどのような関係があるのかを評価する.本研究期間内に以下の点を明らかにした. 1.日齢1週間以内のpHのホメオスタシスに関わる因子について検討した.その結果日齢7のpHは臍帯血pH,在胎週数,日齢7の二酸化炭素分圧によって説明されることがわかった(Mizutani Y et al. PeerJ 2021). 2.満期相当年齢で頭部から得られた散乱係数(μs')が,胎児の成長,出生推移,出生後の栄養状態と関連するかどうかを検討した.その結果,μs'の値が高いほど,アプガースコアが高く,経腸栄養の確立が早いことが示された.新生児脳内の近赤外光の散乱特性は,出生推移やその後の栄養状態に関連した変化を反映している可能性があり,早産児の脳損傷の隠れた独立変数を特定するための非侵襲的バイオマーカーとして利用できる潜在性が示された(Iwata O et al. Sci Rep. 2021). 3.Late preterm児のMRI所見で多く見られる点状白質病変PWMLの頻度と発症に関連する急性期因子を明らかにした.MRI撮像例のうち約10%にPWMLを認めた.PWML発症のリスク因子として,大きい出生体重,出生体重SD値と出生時アシドーシスの存在が示唆された.母体感染や児の人工呼吸管理日数との関連はみられなかった.リスク因子を知ることで,ハイリスク群の割り出し,フォローアップの強化につながると考えられた.
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Research Products
(12 results)