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2020 Fiscal Year Research-status Report

発生初期に咽頭弓動脈から動脈管が形成される機序に関する基礎的研究

Research Project

Project/Area Number 18K15732
Research InstitutionTokyo Women's Medical University

Principal Investigator

原田 元  東京女子医科大学, 医学部, 助教 (10623259)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
Keywords動脈管 / 咽頭弓動脈 / 酸素感受性
Outline of Annual Research Achievements

2020年度は、妊娠ICRマウスから胎生10.5日の胎仔(2腹, 計30胎仔)を得て、24胎仔から左右咽頭弓動脈それぞれを含む組織を採取しRNAlater液中にてRNA調製用に-20℃保存した(左・右咽頭弓動脈プール試料)。残りの6胎仔は、免疫染色試料用に、パラホルムアルデヒド-リン酸緩衝液を用いて全身を固定した。
左・右咽頭弓動脈プール試料を溶解してtotal RNAを抽出し、逆転写反応により定量PCRのテンプレートとするcDNA試料を調製した。この左・右咽頭弓動脈プール試料に対して、トランスクリプトームの結果などから絞り込んだマウス27遺伝子(Eef1e1, H2afz, Fstl1, Hprt1, Pgk1, Polr2a, Ppia, Rpl32, Rpl4, Tbp, Actb, Amd2, Ankrd1, Igfbp7, Zfpm2, Esrrg, TBX20, Myh7, Myl2, Unc45b, Popdc2, Smyd1, Cryab, Hspb2, Pi16, Pln, MYOCD)の発現をリアルタイムPCR法により定量し、GAPDHの発現量により補正したところ、発生初期の心臓や動脈管を含む左咽頭弓において、右咽頭弓に比べて2倍以上高い発現を示す6遺伝子(Ankrd1, Esrrg, TBX20, Myh7, Unc45b, Smyd1)を同定した。
トランスクリプトームの結果や2020年度に実施した定量PCRの結果を踏まえて絞り込んだ遺伝子群の発現を、上記の固定マウス胎仔(胎生10.5日)の胸部から凍結切片を作製して免疫染色法により検出する作業を進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

2020年度では、2019年度までに絞り込んだ遺伝子群の発現を、胎生10, 10.5, 11, 11.5, 12日のマウス胎仔の左右の咽頭弓動脈を対象として、タンパク質レベルの発現と動脈管の酸素感受機構と想定される、1)カリウムイオンチャネル遺伝子群、2)小胞体に存在する細胞内Ca濃度の増加や貯蔵に関する遺伝子群、3)Rho kinaseパスウェイ関連遺伝子群について、total RNAから増幅したcDNA試料を用いて、mRNAおよびmiRNA発現をリアルタイムPCR法により定量を実施する予定であったが、様々な事情により進捗が予想より少なかったことから、本研究の1年間の延長を希望することになった。しかし、胎生10.5日の左右咽頭弓動脈試料に対するリアルタイムPCRによる発現解析から、左咽頭弓に特異的と思われる6遺伝子を見いだせたことなど、進捗もあった。

Strategy for Future Research Activity

2021年度では、2020年度に見いだした6遺伝子を含めて、これまでに絞り込んだ遺伝子群の発現を、胎生10, 10.5, 11, 11.5, 12日のマウス胎仔の左右の咽頭弓動脈を対象として、mRNAレベルや可能ならばタンパク質レベルでの発現を検討したい。加えて、動脈管の酸素感受機構と想定される、1)カリウムイオンチャネル遺伝子群、2)小胞体に存在する細胞内Ca濃度の増加や貯蔵に関する遺伝子群、3)Rho kinaseパスウェイ関連遺伝子群について、total RNAから増幅したcDNA試料を用いて、mRNAおよびmiRNA発現をリアルタイムPCR法による定量を実施したい。

Causes of Carryover

2020年度は、コロナ渦による実験作業の中断や研究協力者の入院など様々な事情によりマウス組織試料の入手が困難となった。このため、本研究の計画の実行に遅延が生じた。これらの理由から1年間の実験期間の延長を願い出ることになった。この追加の期間に使用する研究資金として、次年度使用額が生じた。
この次年度使用額は、2021年度の本研究に用いる試薬・消耗品費として使用する計画である。

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Published: 2021-12-27  

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