2021 Fiscal Year Annual Research Report
A basic research on the mechanism of ductus arteriosus formation from pharyngeal arch artery in early development
Project/Area Number |
18K15732
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
原田 元 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (10623259)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 動脈管 / 咽頭弓動脈 / 酸素感受性 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに、マウス10.5日胎仔の左咽頭弓と右咽頭弓を比較したトランスクリプトームの結果などから、左咽頭弓が右咽頭弓に比べて2倍以上高い発現を示す27遺伝子を見いだした。2022年度は、これらの遺伝子群から、Amd2(AdoMetDC, S-アデノシルメチオニンデカルボキシラーゼ2), Ankrd1(アンキリンリピートドメイン1), Igfbp7(インスリン様成長因子結合タンパク質7), Zfpm2(ジンクフィンガープロテイン2, FOG2), Esrrg(エストラジェン関連受容体ガンマ)の発現を、家兎妊娠30日目胎仔の動脈管及びその周辺組織を用いて免疫染色により検出した。S-アデノシルメチオニンデカルボキシラーゼ2は、周辺血管の細胞に比べ動脈管中膜細胞全般で核に高発現した。アンキリンリピートドメイン1は、動脈管中膜全体の細胞の核・細胞質に高い発現を示した。肺動脈/肺動脈弁に連なる右心室にも発現が見られた。インスリン様成長因子結合タンパク質7は、動脈管中膜・外膜の血管内皮に強い発現があり、動脈管の4割程度の平滑筋細胞の細胞外領域に強い発現が見られた。ジンクフィンガープロテイン2は、動脈管および周辺組織にも全く検出されなかったことから、用いた抗体が反応していないと推定された。エストラジェン関連受容体ガンマは、周辺の大血管に比べて、動脈管中膜の中央部の細胞の核・細胞質で高発現し、右室にもわずかに発現が見られた。 マウス10.5日胎仔の左咽頭弓と右咽頭弓を比較したトランスクリプトームの結果を用い、動脈管の酸素感受機構に関連する遺伝子の発現を検討した。左咽頭弓試料が右咽頭弓試料に比べて2倍以上高発現していた遺伝子は、1)カリウムイオンチャネル群で8/118、2)小胞体に存在する細胞内Ca濃度の増加や貯蔵に関する群で9/69、3)Rho kinase関連群で、8/103であった。
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