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2019 Fiscal Year Research-status Report

着床前胚の細胞運命決定におけるBETファミリータンパク質を介した転写制御機構

Research Project

Project/Area Number 18K15738
Research InstitutionOsama Woman's and Children's Hospital

Principal Investigator

爪 麻美  地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪母子医療センター(研究所), 病因病態部門, 研究技術員 (70711026)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
Keywordsマウス / 着床前胚 / BETファミリータンパク質「 / JAK/STAT経路
Outline of Annual Research Achievements

BETファミリータンパク質(BET)は、ブロモドメインを介してヒストンのアセチル化修飾(H4K5ac, H4K12acなど)に特異的に結合し、転写を制御することが知られている。本研究は、マウス着床前胚の細胞運命決定時期に、BETがどのような転写制御を行っているかについて明らかにすることを目的としている。前年度では、BETの阻害剤で処理した着床前胚(胚盤胞)において、JAK/STAT経路の活性化を示すリン酸化STAT3の発現が、顕著に低下していることを示した。そこで、令和元年度は、BET阻害剤で発現が低下する遺伝子群と、JAK/STAT阻害剤で発現が低下する遺伝子群に関連性があるかどうかについて検討するために、各阻害剤処理した胚を用いてRNAシークエンスを行い、以下の結果を得た。
(1) 胚盤胞におけるBETの標的遺伝子は、全遺伝子のうち11%であったのに対し、JAK/STATの標的遺伝子はわずか2%であった。さらに、BETとJAK/STATの両方の制御を受ける110遺伝子を同定した。
(2) JAK/STAT標的遺伝子のうち、およそ半分はBETの標的遺伝子であることが分かった。
(3) BETとJAK/STATの両方によって制御を受ける遺伝子群は、BET単独で制御される遺伝子群よりも発現が優位に低下していた。
以上の網羅的な解析結果から、着床前胚においてBETを介して転写制御される遺伝子群は、一部はJAK/STAT経路を介して働いていることが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

RNAシークエンスは予定通り行うことができ、胚盤胞におけるBETおよびJAK/STATの標的遺伝子を網羅的に同定して比較することで、BETとJAK/STAT経路の関連性を示すことができた。しかし、当初計画していたSTAT3恒常活性化型を用いた実験は、コンストラクションを作製し、受精卵を用いて発現させたが、2細胞期で発生が停止することなどによって、うまく発現を解析することができなかったため、予定より少し遅れているとした。

Strategy for Future Research Activity

今後は、今年度に引き続き、BETとJAK/STATの関連性について検討を進める。具体的には、BETとJAK/STATの両方の制御を受ける110遺伝子が、どのような特徴を持っているかについて調べる。
また、これまでに、BETファミリーのうち、Brd4が主に着床前胚の転写制御に働いていることを示しているので、胚盤胞においてBrd4がどのようにJAK/STAT経路と関係しているのかを明らかにするための解析を行う。具体的には、Brd4ノックアウトマウスを用いて、JAK/STAT経路の活性がどのように変化しているかについて調べる。
さらに、STAT3の活性化によってBET標的遺伝子の発現が変化するかについても、再度培養法などを改良し、検討する予定である。

Causes of Carryover

実験に用いたいくつかの試薬やディスポーザブル製品(解剖用ディッシュなど)は効率的に使用することができたため、次年度利用額が生じた。次年度は引き続き、マウス購入費、阻害剤試薬、生化学・分子生物学試薬、抗体などの組織学用試薬、ディスポーザブル製品購入費、データ解析費、成果発表のための旅費、等に使用する予定である。

URL: 

Published: 2021-01-27  

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