2020 Fiscal Year Annual Research Report
A single nucleotide polymorphisms of RAD17-related genes in EGFR and RAS mutations in colorectal cancer
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18K15752
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
保田 雪子 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (80815499)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 大腸がん / RAD17 / NIN / SNP |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に大腸がんリスクに対して有意な相関を示した中心体関連タンパク質NINEINのSNP、Pro1111Ala多型について解析を進め、Ala/Ala遺伝子型が、大腸がんの発症リスクの増加と有意に関連しており、非飲酒者、男性、さらに直腸がんについてリスクを示したことを論文にまとめた(Biomedical Reports 13, 2020)。特に直腸がんのリスクが男性特異的であることは興味深く、性差および左右大腸がんにおける差違について、より詳細な解析が望まれる。NINEINコドン1111多型は、他のセントロソームタンパク質、CEP170との相互作用を媒介すると予測されている大きなコイルドコイルドメイン内に位置しているため、その変化がセントロソームの構造と機能に影響し、ゲノム不安定性を引き起こす可能性がある。そこで、プロリンからアラニンへの置換が、NINEIN自身の安定性の変化、セントロソームの局在化、およびCEP170への結合などに及ぼす影響の機能評価をおこなった。 その結果、局在に関しては、Pro、Ala共に、NINEINの中心体への局在は観察できたが、Alaに比べてProの方が、ペリセントリン(細胞分裂と微小管形成に必要な中心体タンパク質)のシグナルが強い傾向にあった。この差が安定性に関与する可能性が考えられる。CEP170との結合性に関しては特に差異は見られなかった。また、安定性を調べた結果、Alaの方が安定性が低い傾向が見られた。さらに、特定はできなかったが、Alaでは何らかのNINEIN結合タンパク質との結合が減弱する可能性が示唆された。 チェックポイント制御機構および中心体関連に関連する遺伝子群のSNPとがん化との関連を解析することにより、大腸がんのリスクに関連したシグナルについての一端を解明することができた。
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