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2019 Fiscal Year Research-status Report

病態進行を反映する三次元B型肝炎ウイルス持続感染モデルの確立

Research Project

Project/Area Number 18K15773
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

姫野 美沙緒  東京大学, 定量生命科学研究所, 特任研究員 (80706416)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
KeywordsB型肝炎ウイルス / 星細胞 / 類洞内皮細胞 / 三次元培養 / 肝硬変 / iPS細胞
Outline of Annual Research Achievements

本研究ではiPS細胞由来の静止期肝星細胞および類洞内皮細胞と肝細胞の共培養によるB型肝炎ウイルス感染モデルを確立した。
iPS細胞由来静止期星細胞においてはHBV受容体であるNTCPを強制発現させた肝がん細胞株HuH-7-NTCPとの三次元共培養を行なった。様々な割合で星細胞を共培養した培養系にHBVを感染させHBV複製レベルを比較した結果、HBV複製は星細胞数依存的に上昇した。一方で二次元共培養や直接接触させない培養系であるトランスウェルを用いた共培養系、あるいは活性化した星細胞との三次元共培養系におけるHBV複製レベルは肝細胞単独培養との差がみられなかった。このことから静止期星細胞と肝細胞の三次元共培養がHBV複製を亢進することがわかった。HBV複製に関与する肝細胞の因子であるHSP90、PPARα、HNF4αの発現レベルを調べたところ、共培養した星細胞の細胞数が多い培養系においてそれら因子の発現が亢進していた。このため静止期星細胞は肝細胞をHBV複製に有利な状態に変化させると考えられた。
iPS由来類洞内皮細胞についても、細胞を直接接触させない培養系であるトランスウェルを用いて肝細胞と共培養を行なった。この培養系にHBV感染を行なった結果、類洞内皮細胞はHBV感染・複製レベルを亢進することがわかった。どのような因子によってHBV複製レベルが亢進したのかを調べるために培養上清のサイトカインアレイを行なった。その結果、類洞内皮細胞は上皮増殖因子EGFを産生することが明らかになった。単独培養した肝細胞へのEGFを添加実験により、低濃度のEGFはHBVの感染を亢進し、高濃度のEGFはHBV複製を阻害することがわかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

初年度までにiPS細胞由来肝細胞を用いたHBV感染モデルを確立した。次年度はさらに非実質細胞である星細胞と類洞内皮細胞を用いた肝細胞との共培養HBV感染モデルを確立した。HBV感染・複製に対する非実質細胞の機能についても肝細胞との共培養により一部明らかに出来た。
一方でiPS細胞由来肝細胞および星細胞と類洞内皮細胞全てを用いた三次元HBV感染モデルについては未だ達成できていない。これは、当初分化誘導していた星細胞が一部活性化していたことを明らかにし、新たに静止期星細胞の分化誘導法を開発して用いるよう変更することで、時間を要したためである。さらに、新たに確立した静止期星細胞の分化誘導法では実験に足る細胞数を一度に得ることが困難であった。このため次年度はより多くの静止期星細胞を得られる分化誘導法へと改良した。今後この静止期星細胞を用いて三次元培養系に供する予定である。

Strategy for Future Research Activity

現在の培養系ではiPS細胞由来の肝細胞は肝がん細胞株と比較してHBV複製レベルが低い。HBV cccDNAレベル等を高感度に検出するためより多くの細胞を三次元培養に共せる培養方法の確立を試みる。具体的には培養器の変更、細胞培養培地の改善を行う。今年度までに開発した静止期星細胞の大量培養法によりこれが可能となる。
またHBV感染による病態進行を本研究の三次元培養系において再現できるかどうかについて、星細胞から産生されるαSMAやコラーゲンの産生等に代表されるプロテオーム解析を行うことで明らかにする。

Causes of Carryover

2019年に出産後、産後休暇を取得し、予定していた国際学会への参加を行わなかったため当該年度使用額が減少した。 今後、肝組織の三次元培養を改良するために培養器、細胞培養培地を購入するために使用する。また大量にiPS細胞由来の肝前駆細胞、肝星細胞、類洞内皮細胞を分化誘導するため培地中に添加するサイトカイン等を購入する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2019

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 星細胞と肝細胞の三次元共培養モデルによるB型肝炎ウイルス感染系の確立2019

    • Author(s)
      姫野 美沙緒、厚井 悠太、陳 欣蔚、西辻 裕紀、杉山 真也、溝上 雅史、木戸 丈友、宮島 篤
    • Organizer
      第67回日本ウイルス学会学術集会

URL: 

Published: 2021-01-27  

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