2019 Fiscal Year Annual Research Report
クローン病病変部における新規幹細胞分画の同定と機能解析
Project/Area Number |
18K15774
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
鈴木 康平 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 特任助教 (10814072)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | クローン病 / オルガノイド |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度も当初研究計画に従い「クローン病の小腸病変部に内在する特殊な幹細胞機能を有する細胞の新規分子マーカー及び生体内局在の同定」、及び「同細胞分画の単離と幹細胞特異的機能を支える細胞内分子機構の解明」について研究を実施した。その結果、以下の様な成果を得ている。1)健常粘膜、クローン病活動期、クローン病寛解期にそれぞれ小腸内視鏡を用いて生検検体を採取し、複数の患者由来小腸オルガノイドを樹立することが可能であった。2)3群の患者由来小腸オルガノイドを用いることにより、各々から次世代シークエンサーを用いたRNA-seqデータを取得することが可能であった。3)同解析により得られた網羅的遺伝子発現データを基に主成分分析を行った結果、各群内の異なる患者間は類似した遺伝子発現プロファイルを共有するものの、各群間は明確に異なる遺伝子発現プロファイルを有することが明らかとなった。4)既知の幹細胞特異的遺伝子(12遺伝子)の発現レベルについて解析した結果、クローン病活動期由来小腸オルガノイドでKCNQ1等が高発現する特徴的な発現パターンを認めた。5)3群における遺伝子発現を比較することにより、クローン病活動期由来小腸オルガノイドで共通して高発現を認める遺伝子群として1288の候補遺伝子を同定した。同データについての機能的意義を明らかとするためパスウェイ解析を行った結果、MAPK経路等の特徴的な分子経路が抽出された。6)3群における遺伝子発現を比較することにより、クローン病活動期由来小腸オルガノイドで共通して低発現を認める遺伝子群として1157の候補遺伝子を同定した。 上記解析により得られた各群を特徴づける遺伝子発現パターンに関するデータを基に、今後は個別の遺伝子についてより詳細な検討を進める計画である。
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[Presentation] 【The 6th JSGE International Topic Conference Lifestyle-related Diseases in Gastroenterology】Gastrointestinal tract(role of gut microbiome and diet):Food-bome factors in inflammatory bowel disease2019
Author(s)
Ryuichi Okamoto, Mao Kawai, Minami Hama, Sayaka Nagata, Ami Kawamoto, Kohei Suzuki, Hiromichi Shimizu, Sho Anzai, Junichi Takahashi, Reiko Kuno, Sayaka Takeoka, Yui Hiraguri, Shiro Yui, Mamoru Watanabe
Organizer
第105回 日本消化器病学会総会 (The 6th JSGE International Topic Conference)
Invited