2018 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the mechanism by which vascular endothelial cells are involved in liver carcinogenesis/recurrence
Project/Area Number |
18K15777
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
西川 昌志 金沢大学, 附属病院, 特任助教 (90794511)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 肝発がん / 血管内皮細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、特定した標的因子が肝発がんの予測・有用な新規バイオマーカーとなりえるか、またヒト初代培養細胞・実験動物を用い標的因子の機能解析を行い血管内皮細胞と肝発がんの機序を解明し、基礎研究から臨床応用を目的としている。 これまでの研究で、SVR達成群とSVR後肝癌群の背景肝での網羅的メチル化解析によりメチル化割合が有意に変化した遺伝子を1664メチル化サイトを抽出し、プロモーター領域にメチル化部位がある154メチル化サイトに限定し、腫瘍組織も加えた発現量解析を行い各群間で発現量が有意に変化した標的因子を同定した。ヒト手術組織の免疫染色において、標的因子はCD31やCD34とmergeし腫瘍浸潤する微小血管内皮細胞に発現していた。各群でのメチル化推移を見ると、標的因子のメチル化と治療、炎症、発がんが連動していることが分かっている。 HCV関連肝癌手術症例において、標的因子で免疫染色してみると、標的因子は門脈域や実質において炎症と線維化と正相関していた。また、背景部や腫瘍部での標的因子高発現群で有意に無再発期間が短く、再発し易かった。標的因子を過剰発現すると、IL6、IL8などの炎症マーカーの発現が上昇した。したがって、標的因子は、C型肝炎における炎症および線維化と相関し、肝がん再発と関連していた。機能解析の点において、小胞体ストレス(ER stress)誘導剤DTT存在下で標的因子の発現が有意に上昇しており、ER stressの関与が考えられ報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
標的因子の発現においてERストレスが関与していることが分かり、標的因子の機能解析が進展していると判断したため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進方策として、標的因子がERストレスのどの経路においてどのように作用しているか、各種PERK, IRE1a, ATF6などの既知のマーカーとの関連を調べたり、血管内皮細胞発現において標的因子とずり応力との関係を探索し、標的因子の機能解析の全容解明を目指す。また、標的因子の臨床応用への展開についても模索していく。
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Causes of Carryover |
当初計画していたよりも物品費を安く抑えることができ、旅費の支出も少なかったため未使用額が発生したが,引き続き,次年度以降も物品購入や旅費等に使用する。
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