2021 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of antigen-specific T cell receptors for the treatment of hepatocellular carcinoma
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18K15778
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
玉井 利克 金沢大学, 医学系, 助教 (40782082)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ペプチド / 肝癌関連抗原 / T細胞受容体 / 肝細胞癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、肝癌関連抗原に特異的なTCRを同定し取得し、その中から肝癌治療に有効と考えられるTCRを選択し、ヒト肝癌治療へ応用していくための基礎データを取得することである。本研究で、肝癌関連抗原特異的TCRを数多く取得することで、今後の我が国での肝癌治療に寄与することができると考える。本研究は次の3段階のステップで行う。3段階の実験は、1)ペプチド特異的CTLのTCRのクローニングと機能解析、2)肝細胞株に対する細胞傷害活性を証明するin vitro実験モデルの構築、3)in vivo TCR遺伝子治療モデルの構築とこれを用いたTCRの機能評価、からなる。 昨年度までは、すでに研究室が有しているHLA-A24拘束性のMRP3由来ペプチドとhTERT由来ペプチドに特異的なTCRを、臨床応用につなげるために、内在性のTCR発現を抑制するしsiRNAのvector(Cancer Res 2009;69:(23))に組み込んだ。昨年度はこの組み込みに想定外に難渋したため、期間を本年度まで延長申請し研究を継続した。本年度は、siRNA vectorに組み込んだTCRの細胞傷害活性を共焦点レーザー顕微鏡で視覚的に確認した。ペプチドパルスした細胞株を標的とした場合は、施行したTCRすべてで細胞傷害活性を示した。一方、ペプチドパルスを行わず、肝癌関連抗原を産生する肝癌細胞株に対しては、TCRの種類によって細胞傷害活性を示すものもあれば、活性が明確でないものもあった。肝癌で、どのような特徴を持っていればTCR治療の効果が見込めるか、という点において今後さらなる検討が必要と思われた。 当初は、CTLのTCR取得のみを考えていたが、ヘルパーT細胞(HTL)のTCRの取得も試みるべく、まず肝癌関連抗原由来のMHC-classⅡ拘束性エピトープを同定することとし、研究期間中にこれを同定することができた。今後の研究でこのエピトープを用いてHTLのTCRの取得を試みたい。
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