2018 Fiscal Year Research-status Report
一細胞RNA-Seqとリキッドバイオプシー技術を応用した膵癌の病態解明と予後予測
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18K15783
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松下 浩志 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (20786107)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 細菌叢解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
膵臓癌は、5年生存率が`5-9%と予後不良な固形癌である。予後が不良である要因の一つとして、長期予後が望める化学療法が限られていることが挙げられる。近年癌周囲微小環境や腸内細菌叢などが治療効果に様々な影響を与えているとの知見が得られており、実臨床症例を使用し、その臨床的意義を評価するため研究を行っている。まずは腸内細菌叢については、超音波内視鏡下針生検を行った際の穿刺針内腔の洗浄液を用いて、細菌DNAが検出可能であるか評価するために16S ribosomal DNAの検討を行った。穿刺状況や洗浄液の総量にばらつきがあるサンプルの中で、定量評価は困難であったが、まずは2mlの洗浄液を用いてbacterial DNAを回収し解析し、一定症例において細菌DNAが検出されることが判明した。今後は、治療効果に関与するとされる細菌のDNA検出と、臨床的意義を検討する予定である。 癌周囲微小環境のscRNA-seqについては、臨床検体を用いて施行試みたが、肝臓とは異なり、線維化成分が多いためかsingle cell化が困難であることが判明した。現在、signle cell化するために使用するenzyme等の条件設定を再度行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
針生検による膵癌サンプルのsingle cell化が、サンプルサイズの問題もあり困難であることが判明した。近年、EUS-FNAの穿刺針の径も19G→22G→25Gと徐々に細くなってきており、組織診というよりかは、確実な細胞診という意味合いが強くなりつつあり、今後も状況の変化はないと考える。このEUS-FNAの位置付けの変化が進捗の遅れにつながっていると考える。今後は、微小サンプルにおいても、サンプルロスなく、scRNA-seqにつなげることが可能な採取法等検討する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
マウス膵臓等を使用し、再度条件設定を行う。細菌叢解析に関しては、引き続き検討を進めていく。
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Causes of Carryover |
先述した、scRNA-seqを行う上での条件設定で進捗が滞ったため、次年度使用額が生じた。
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