2018 Fiscal Year Research-status Report
非アルコール性脂肪性肝疾患を背景にした肝癌研究(新規モデルの作成および化学予防)
Project/Area Number |
18K15790
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
本多 靖 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (00784844)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | NAFLD / 肝細胞癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
原発性肝がんの約90%を肝細胞癌が占め、その多くはB型およびC型肝炎ウイルスによるものである。近年、ウイルス性肝炎のない非B非C肝癌が増加しており、NASH由来の肝細胞癌が原因と考えらえている。NAFLD/NASHの病態は未だ不明な部分も多く、NASH由来の肝細胞癌についても同様である。我々はこれまでにNASHのマウスモデルを用いて、NASHの薬物治療について検討を行ってきた。近年、ウイルス性肝炎のない非B非C肝癌が増加しており、この背景にはNAFLDの増加が原因と考えらえており、その対応が急務である。 我々は、よりヒトNAFLD/NASHに近いモデルある食餌負荷モデルであるAmylin Liver NASH model(AMLN model)を用い、肥満、インスリン抵抗性、肝線維化を認める新たな肝発癌モデル(DEN+AMLN model)を作成し、世界中で危惧されているNAFLDを背景とした非B非C肝癌の化学予防について検討を行う。 非臨床試験における肝癌研究では、肝化学発癌剤であるジエチルニトロサミン(DEN:Diethylnitrosamine)が頻用されている。予備検討により、生後2週でDEN25mg/kgを腹腔内投与し、生後4週より食餌負荷、生後24週で評価を行い、肝発癌を認めた。しかしながら、生後2週のマウスを確保することの困難さがあり、予定していたプロトコールを断念せざるをえなかった。 現在、B6C3F1マウス(C57BL/6J 3 C3H/HeJ hybrid)を用いて、DENを生後6,7,8,10,11,12週に45mg/kg投与し、生後5週よりALMLN食を負荷するプロトコールに変更し、研究を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在、B6C3F1マウス(C57BL/6J 3 C3H/HeJ hybrid)を用いて、DENを生後6,7,8,10,11,12週に45mg/kg投与し、生後5週よりALMLN食を負荷するプロトコールに変更し、研究を進めている。同モデルはChenら(The Journal of nutrition、2016)のプロコールをAMLN食に置換したものであり、生後2週のマウスを入手する必要なく、発癌マウスを作成可能である。 予備検討を行い、Chenらのプロトコールで、B6C3F1マウスにDENを投与し、AMLN食を負荷することで肝発癌が肉眼的に認められたことを確認した。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、B6C3F1マウスにDENを生後6,7,8,10,11,12週で投与し、生後5週よりAMLN食を負荷することで、NAFLD/NASHを背景としたNASH肝癌モデルを作成する。同モデルに既存の治療薬を用いて非B非C肝癌の化学予防について検討する。中でも糖尿病治療薬であるメトホルミンやDPP4阻害薬、SGLT2阻害薬、脂質異常症治療薬であるpemafibrate、抗酸化剤であるグルタチオンなどを用いて、本研究で開発したモデルを使用し、肝発癌の化学予防について検討する。
|