2021 Fiscal Year Annual Research Report
The roles of CAFs for malignant progression of human esophagus tumors
Project/Area Number |
18K15797
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
鈴木 真由 順天堂大学, 医学部, 非常勤助手 (90815341)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 食道癌 / オルガノノイド / CAFs / 浸潤・転移 / 治療抵抗異性 / PDXモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
食道癌の外科療法は術後の食事摂取や患者の生活の質を著しく低下させる。また現行の抗癌剤や放射線治療の効果も非常に限られており、新規根治治療の開発が望まれる。申請研究では、食道癌悪性化の原因を解明し新規治療開発に役立てるために、患者食道癌手術検体を用いたpatient-derived tumor xenograft (PDX)モデルを樹立する。また、食道癌間質に多く存在する癌内線維芽細胞 (Carcinoma-associated fibroblasts : CAFs)は癌細胞の浸潤、転移の促進や治療抵抗性獲得に関与しているが、その分子機構はまだ不明な点が多い。申請者らは、PDXモデルの樹立および癌患者よりCAFsの抽出を行い、CAFsがヒト乳癌や大腸癌細胞の増殖、浸潤や転移を促進する事を明らかにした実績がある。申請研究では、患者食道癌由来CAFsを抽出し、食道癌との共移植系PDXモデルを確立する。さらにCAFsが食道癌の浸潤、転移や薬剤抵抗性に与える影響を解明し、CAFsと食道癌の相互作用を媒介する遺伝子やシグナルを同定し、新規治療法の基礎を確立する。 『CAFsがどのように食道癌の浸潤・転移や治療抵抗性に寄与しているのか?』の問いを明らかにするため、33例の手術により摘出された食道癌部および非癌部の検体を採取した。これらの検体を酵素処理後、primary cultureし27例でCAFsおよびコントロールの線維芽細胞のペーアーでの樹立に成功した。また、がん組織の一部を酵素処理し5症例の食道癌オルガノイドも樹立した。本年度の研究実績として、研究に必要な臨床サンプルからの線維芽細胞とヒト食道癌オルガノイドの樹立に成功したことがあげられる。
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