2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K15808
|
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
大藤 和也 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (60597699)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 肝細胞がん / 血中循環腫瘍細胞 / マイクロキャビィティアレイ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では肝細胞がん患者における循環腫瘍細胞(CTC)の測定系を構築することで、肝細胞がんの発がん、転移リスク予測評価法の確立を目的として研究を遂行した。 ヒト肝がん由来培養細胞株(HuH7、HepG2、PLC/PRF/5)での回収率をマイクロキャビィティアレイ(MCA)システムを用いて評価した。それぞれ、高率にCTCを回収することが可能であり、MCAによる肝細胞がん検出系をvitroの実験系にて確認した。また、MCAより検出されたCTC由来遺伝子発現解析を施行し、CTC由来の遺伝子発現解析が可能であることを実証した。 健常人、肝硬変患者、肝細胞がん患者よりCTCの測定を施行した。結果、肝細胞がん患者において、健常人control及び肝硬変患者より有意に多数のCTCが検出され、MCAによる肝細胞がん患者の診断能を有することが明らかとなった。肝細胞がん進行度に応じてCTC数の増加を認め、診断能と臨床背景因子との相関関係が明らかとなった。さらに、CTC由来遺伝子発現解析により、肝細胞がん特有の遺伝子であるAFP,alb等の発現を確認可能であった。特にalb発現は多数の進行肝細胞がん患者で認められ、新規の診断マーカーとなる可能性が示唆された。 以上の結果からは、MCAシステムを用いて肝細胞がん患者由来CTCの定量的評価が可能であり、さらに、CTC由来遺伝子発現解析が可能であった。CTC測定による肝細胞がん診断の有用性が明らかにされ、新規の診断ツールとなる可能性が示唆された。さらに、CTCの遺伝子発現解析による分子生物学的特性の解明による発がんリスク評価を行える可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた、ヒト肝細胞がん株におけるMCAによる検出系の評価について施行できた。 予定症例数どおり、健常人、肝硬変、肝細胞がん患者についてCTC測定を行うことができ、比較手順調に症例の蓄積ができている。
|
Strategy for Future Research Activity |
現段階では、予定どおりに症例数の蓄積が出来ており、さらなる症例の蓄積の予定である。また、CTC由来遺伝子発現解析については次世代シーケンサー等を用いて検討も予定している。
|
Research Products
(2 results)