2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of circulating tumor cell detection system in hepatocellular carcinoma
Project/Area Number |
18K15808
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
大藤 和也 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (60597699)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 肝細胞癌 / 血中循環腫瘍細胞 / マイクロキャビティアレイ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では肝細胞がん患者における循環腫瘍細胞(CTC)の測定系を構築し、肝細胞がんの発がん、転移リスク予測評価法の確立を目的として研究を遂行した。これまでの研究成果として、ヒト肝がん由来培養細胞株(HuH7、HepG2、PLC/PRF/5)を高率にCTCを回収することが可能であり、MCAによる肝細胞がん検出系をvitroの実験系にて確認した。また、real-timePCR法を用いてMCAより検出されたCTC由来の遺伝子発現解析が可能であることを実証した。 基礎的な検討にてCTC検出系の確立を確認した後、健常人、肝硬変患者、肝細胞がん患者よりCTCの測定を施行した。肝細胞がん患者において、健常人control及び肝硬変患者より有意に多数のCTCが検出され、MCAによる肝細胞がん患者の診断能を有することが明らかとなり、ROC解析により癌と診断するための適切なCTC数のカットオフ値を設定可能であった。肝細胞がん進行度に応じてCTC数の増加を認め、診断能と臨床背景因子との相関関係が明らかとなった。さらに、CTC由来遺伝子発現解析により、肝細胞がん特有の遺伝子であるAFP,alb等の発現を確認可能であった。特に肝がん患者ではCTC由来albの発現頻度が多くみられた。予後との関連性においては、CTCカットオフ値以上患者では有意に予後不良であり、特に局所性肝がん患者において、その傾向は顕著であった。また、CTC由来alb発現が多い例でも予後不良であった。 以上の結果よりMCAを用いたCTCの定量性とCTC由来の遺伝子発現解析は、肝細胞がん症例の予後予測に有用な新規マーカーとなる可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)