2020 Fiscal Year Annual Research Report
A novel endoscopic treatment for an obesity patient
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18K15813
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山崎 泰史 岡山大学, 大学病院, 助教 (80815168)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 肥満症 / 代謝 / 内視鏡治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
肥満および肥満関連疾患の改善を目的とした新たな内視鏡治療(内視鏡的胃筋層神経叢切開術)の安全性および実施可能性に関して平成30年度から令和2年度にかけてブタモデルを用いて動物実験で検証した。ブタ6匹を用いて神戸医療機器研究開発センターで行った。2匹は普通食コントロール、2匹は高脂肪食摂取、残り2匹は高脂肪食摂取+内視鏡的胃筋層神経叢切開術を行った。計4週間飼育し、体重・血中脂質値・消化管ホルモン(GLP-1)・肝臓及び胃組織中の脂質値、の変化を測定した。4週後に安楽死させ、胃・肝臓組織の病理評価を行った。処置を行った2匹は、抗生剤や鎮痛剤なしで治療翌日から食事摂取可能であり、苦痛や発熱等なく問題なく生存した。一定の体重増加も見られ、内視鏡的胃筋層神経叢切開術は安全で実施可能であり今後の肥満治療に対する選択肢として継続して評価に値すると判断した。胃の病理学的評価では、処置群ではアウエルバッハ神経叢は過形成性変化を生じており、処置により断裂されていたことが示唆され想定した治療が行えていたことが証明された。また、統計学的検討は行えなかったが、処置を加えていない高脂肪食2匹よりも処置を加えた2匹の方が体重増加は緩やかであった。脂質値は処置を加えた2匹で高脂肪食2匹よりも若干の低下が見られたが、胆汁酸やGLP-1、肝臓組織中の脂質値には明らかな差はなかった。各群のサンプル数が少なかったことに加えて、今回は食事を与える量を普通食群と高脂肪食群で一定に規定していたことが、差が得られなかった一因と考えられた。加えて、処置時間が約3時間かかったため短時間で行えるような改良も今後の課題としてあげられた。今回の研究で肥満および肥満関連疾患の改善を目的とした本邦独自の新たな内視鏡治療法の安全性および実施可能性を動物実験で示すことはできた。更なる改良をし、有効性評価をしていく必要性がある。
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