2018 Fiscal Year Research-status Report
ソラフェニブ耐性肝細胞癌のメタボローム解析に基づくバイオマーカーの解明
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18K15816
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
友成 哲 徳島大学, 病院, 助教 (20556807)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ソラフェニブ |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、Multi-kinase inhibitorである分子標的治療薬ソラフェニブが開発され、進行肝癌の標準治療として広く用いられているが、その奏功率はきわめて低く、効果を予測するバイオマーカーの開発が求められている。本研究では、申請者がこれまでに樹立したソラフェニブ耐性株と野生株のconditioned mediaを用いて網羅的メタボローム解析を行い、ソラフェニブ耐性のバイオマーカーとなりうる因子を明らかにし、実臨床での100例の肝癌患者の血清を用いてソラフェニブの有効性との関連を解析することを目的とした。申請者らはこれまでに、予備実験としてグルクロン酸抱合体の排泄に関与するABCトランスポーターのMRP3がソラフェニブの耐性因子の一つであることを見出しており、グルクロン酸抱合されたソラフェニブ代謝産物が有用なバイオマーカーとなりうる可能性が極めて高いと判断した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ソラフェニブ耐性株(PLCPRF5-R1,R2)と親株の代謝産物を抽出し、メタボローム解析を行った。ソラフェニブ耐性株と親株のそれぞれ1×107 の細胞を用いて、PLC/PRF5細胞のソラフェニブIC50である6μMに調整した1mlのDMEMに浮遊させ37℃ over night incubationを行い解析用の代謝産物を抽出した。
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Strategy for Future Research Activity |
ソラフェニブ耐性株と親株のconditioned mediaを速やかにメタノール(4℃)を添加することで迅速に酵素を失活させたのちに、キャピラリー電気泳動を妨害するリン脂質や蛋白質の除去を行う。また水、メタノール、クロロホルムの混合液の水相画分を取り出し、水溶性代謝物質の回収と脂質及び蛋白質の除去を行う。続いて限外濾過をすることにより可能な限り蛋白質の除去を行い、CE-TOFMS測定の試料とする。その後、代謝産物を一斉定量し、代謝機構の違いを明らかにする目的でキャピラリー電気泳動装置に導入する。
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Causes of Carryover |
消耗品などの購入単価以下の端数が生じたため、少額の次年度使用額が生じたが、次年度の消耗品購入費用に充てる予定である。
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