2018 Fiscal Year Research-status Report
C型肝炎ウイルス直接作用薬治療不成功に関連する新たな薬剤耐性変異の機能解析
Project/Area Number |
18K15821
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
馬渡 誠一 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (50735339)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | SOF/LDV / 薬剤耐性変異 / NS5B / NS5A共変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
C型肝炎ウイルスに対するSofosbuvir(SOF)+Ledipasvir(LDV)療法は高い治療成績を示すが、一部で不成功となっている。今回治療不成功に関連する因子を解析した。 対象はC型肝炎に対してSOF+LDV療法を施行された493例(再治療30例を含む)に対して、NS5A、NS5B領域の薬剤耐性変異をdirect sequence法で解析し、治療不成功例について治療前後の血清を次世代シークエンサーでも解析した。その結果、NS5A 24番目(Q24)、28番目(L28) and/or 30番目(R30)、31番目(L31)、93番目(Y93)のアミノ酸の共変異に加えてNS5B 218番目(A218)の316番目(C316)の共変異が治療効果に関連することを明らかにした。C316変異保有例の99%はA218変異を有し、A218変異保有例の79.1%はC316変異を有していた。11例の不成功例中10例で、A218とC316共変異を認めていた。一方A218/C316共変異のない症例では、NS5A共変異を認めていても全例でウイルス消失が得られていた。NS5B領域で過去の報告にある282番目、320番目の変異は治療前に保有例がなく、159番目、321番目の変異については、治療前にそれぞれ5例保有していたが、それらの保有例から治療不成功例はなかった。また、治療不成功において、NS5B領域に新たな変異の獲得もなかった。初回治療において、A218/C316変異のない症例は、NS5A変異の有無にかかわらず全例ウイルス消失が得られ、A218/C316変異のある症例ではNS5A変異が2つ以上ある症例で治療成績が有意に低下していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SOF/LDV治療不成功に関連する薬剤耐性変異の同定を行うことができたが、NS5B領域の変異についての詳細な解析は行えていない。
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Strategy for Future Research Activity |
SOF/LDV治療不成功例に対して、NS5B領域の解析を中心に次世代シークエンサーやin vitroでの解析を行う。 また、Glecaprevir+Pibrentasvir療法の不成功例も認めており、不成功に関連する耐性変異解析を進める。
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