2019 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of pathogenesis of IgG4-related autoimmune pancreatitis from the viewpoint of smoking habit and development of new treatment method
Project/Area Number |
18K15830
|
Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
鎌田 研 近畿大学, 医学部, 助教 (70548495)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 自己免疫性膵炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
IgG4 関連疾患は IgG4産生反応の亢進とIgG4陽性形質細胞の臓器浸潤を診断基準として、本邦の内科医により提唱された新規疾患概念である。自己免疫性膵炎と診断されていた疾患の大半がIgG4関連疾患の膵臓特異的な表現型であることが判明し、自己免疫性膵炎の患者数は増加傾向にある。IgG4関連型自己免疫性膵炎患者は高齢の男性に多いという疫学的特徴があり、何らかの生活習慣が関与することが予測されるが、その詳細は明らかになっていない。申請者らはIgG4関連型自己免疫性膵炎患者の喫煙率が非常に高いことを見出した。自己免疫性膵炎モデルでは2, 3, 7, 8-Tetrachlorodibenzodioxin (TCDD)投与によるタバコ由来成分の暴露は疾患の発症を抑制した。これらの結果は喫煙の中断や禁煙がIgG4関連型自己免疫性膵炎の発症に関与することを示唆している。喫煙により、Aryl hydrocarbon receptor (AhR)が活性化されることが知られている。また、腸内細菌により活性化されるAhRがIL-22の産生を介して、自己免疫性膵炎の発症を防止することが判明した。さらにはAhR ligandの投与が膵臓におけるIL-22の発現増強により、自己免疫性膵炎の発症を抑制することを明らかにし、プレリミナリーな検討ではIL-22は炎症に伴う腺房導管異形成を抑制し、腺房細胞の修復を促進することを見出した。本研究では、喫煙を通して活性化される免疫反応がIgG4関連型自己免疫性膵炎の発症に及ぼす効果の一端を実験自己免疫性膵炎モデルの解析を通して明らかにした。
|