2020 Fiscal Year Research-status Report
NAFLD/NASHにおける小胞体ストレス及びオートファジー関連機序の解明
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18K15832
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
林 倫留 産業医科大学, 医学部, 修練指導医 (70717785)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 小胞体ストレス / オートファジー / 酸化ストレス / 細胞増殖 |
Outline of Annual Research Achievements |
生活習慣の変化に伴い、国内にはNAFLD/NASHの人数は急増している。NASHの病態にはオートファジー機能異常及び小胞体ストレスが深く関連しており、異常蛋白蓄積がNASHの進展に関与していると考えられている。小胞体ストレスは肝脂肪化との悪性サイクルを形成し、インスリン抵抗性をも増悪させ、さらなるNASH悪化を引き起こす事が報告されている。我々は、Mallory-Denk Body(MDB)がオートファジーの分解器質であるp62蛋白を含む凝集体であり、プロテアソームの阻害剤で再現できる事、オートファジーの亢進でMDBが減少する事を報告した(Harada M, Hepatology, 2008)。また、飽和脂肪酸が小胞体ストレスを惹起し、オートファゴソームとリソソームとの融合段階を阻害する事を報告した(Miyagawa K, Am J Pathol, 2016)。 我々はタプシガルジン、ツニカマイシン、ピュロマイシンを培養細胞であるヒト不死化肝細胞培養株(OUMS-29)及びヒト肝癌培養細胞株(Huh-7)に負荷し、小胞体ストレスが生じることを確認した。いずれも1μM以上の濃度、及び12時間以上の負荷でいずれの培養細胞でも確認した。また、mRFP-GFP-LC3やautophagic fluxによる検討では、タプシガルジンではオートファジーの後期段階の障害をみとめ、ツニカマイシン、ピュロマイシンではオートファジーの促進を認めた。また、小胞体ストレス誘導剤によるMDB形成の有無を検討したところ、単独でのMDBの形成を認めなかった。また、他の薬剤を付加した際の小胞体ストレス及び酸化ストレスに関して検討追加した。糖単独を小胞体ストレス誘導剤に負荷した際に、小胞体ストレスの増悪を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
タプシガルジン、ツニカマイシン、ピュロマイシンの薬剤はいずれも小胞体ストレスを引き起こす。しかし、オートファジーに対する反応は異なる事が判明した。しかし、その理由は明らかではない。小胞体は細胞内のカルシウム貯蔵庫として働いており、小胞体上のカルシウムチャネルが細胞内濃度の調整に関わっている。薬剤によるカルシウム調整が変化を与えている可能性があり、今後の課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
培養細胞に上記の各種小胞体ストレス誘導剤を負荷し、その作用機序を明らかにする。それぞれの薬剤の作用機序によるものが考えられるため、検討中である。また。酸化ストレスへの防御機構であるNrf2-Kaep1系に対する小胞体ストレス誘導剤の作用も検討する。
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Causes of Carryover |
本研究室の既存の物品、試薬、抗体の一部を使用して、研究を行ったため、未使用額が生じた。未使用額は今年度小胞体ストレス誘導剤とオートファジーの実験の試薬購入に使用する予定である。
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