2019 Fiscal Year Annual Research Report
Role of circulating MYCN in recurrence and/or metastasis of hepatocellular carcinoma as a biomarker and/or regulator
Project/Area Number |
18K15833
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
Qin XianYang 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 研究員 (60756815)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | MYCN / 肝がん / 予後予測 / バイオマーカー / liquid biopsy |
Outline of Annual Research Achievements |
日本における肝がんの年間罹患数は約40,000人に上り、ステージIであっても5年生存率は70~80%と極めて予後不良である。我々はトランスクリプト-ム解析を始め細胞、動物及び臨床検体の解析により、肝がん幹細胞の中でMYCNを発現する細胞が肝がん予防薬非環式レチノイドのclonal deletionの標的であることを報告した。本年度では、MYCNを標的とした創薬研究と新規肝がんバイオマーカーとして有用性の評価を行った。具体的に以下のような成果を上げた。1)nLC-MS/MSを用いたプロテオーム解析とLC-TOFMSを用いたメタボローム解析により、MYCN高発現肝がん細胞では、脂肪酸不飽和化酵素SCD1の発現やオレイン酸などの不飽和脂肪酸の量が著しく高いことが分かった。3次元培養では、MYCN低発現肝がん細胞はあまり増殖しないのに対し、MYCN高発現肝がん細胞は活発な増殖が見られ、その増殖はSCD1の阻害剤CAY10566により特異的に抑制された。2)国際共同研究により台湾人肝がん患者のコホート研究(118症例)により、肝がん非がん部より肝がん組織においてMYCNの遺伝子発現が有意に高く、単発性や非肝硬変の早期肝がん患者においてMYCN高発現群の術後再発率も有意に高くなり、日本人肝がん患者のコホート研究(102症例)と一致した結果が得られた。3)市販miRCURY Exosome Kitsを用いて血清中エクソソームを抽出し、ELISAによってMYCNタンパク質を定量した結果、血清を用いた解析と同様に肝がん患者のエクソソーム中MYCNタンパク質量は有意に高いことが分かった(p=0.029)。血中MYCNタンパク質がエクソソーム中に存在する可能性が示唆された。以上の結果から、MYCNが肝がんバイオマーカー並びに創薬標的として有用であることを示唆した。
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Research Products
(10 results)