2020 Fiscal Year Research-status Report
家族情報を用いた若年期の血圧に影響を及ぼす要因と血圧測定の有用性の評価
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18K15837
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石黒 真美 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 講師 (10632242)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 血圧 / 小児 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、引き続き三世代コホート調査によって得られたデータを用いて、特に両親の高血圧と未成年の血圧値との関連について検討した。父母の高血圧については、「父母共に高血圧なし」、「父のみ高血圧あり」、「母のみ高血圧あり」、「父母共に高血圧あり」の4群に分類し、未成年の収縮期血圧(SBP)、拡張期血圧(DBP)を分散分析、多変量ロジスティック回帰分析で比較した。分散分析の結果、未成年のSBP/DBPは、「父母共に高血圧なし(n=580、未成年血圧高値7.6%)」群107.5±10.1/64.8±7.6mmHg、「父のみ高血圧あり(n=101、未成年血圧高値13.9%)」群109.9±11.5/65.9±7.9mmHg、「母のみ高血圧あり(n=30、未成年血圧高値13.3%)」群108.8±10.6/65.4±8.6mmHg、「父母共に高血圧あり(n=3、未成年血圧高値66.7%)」群123.5±14.6/78.5±11.1mmHg(P=0.01/0.01)であった。また、多変量ロジスティック回帰分析の結果「父母共に高血圧なし」群と比較して「父のみ高血圧あり」群、「母のみ高血圧あり」群、「父母共に高血圧あり」群それぞれのオッズ比(95%信頼区間)は、1.88(0.97-3.65)、1.72(0.55-5.34)、20.23(1.52-269.44)であった。 また、小児の循環動態について、血圧と同様に三世代コホート調査によって得られたデータを用いて、心拍数や心電図波形の関連要因を検討した。男女別の重回帰分析の結果、年齢は心拍数と負の関連、PR間隔、QRS間隔、QTcと正の関連が認められた。また、男女ともにPR間隔、QRS間隔、QTcについて、それぞれ父母のPR間隔、QRS間隔、QTcと正の関連が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
学会での成果発表等は実施できているが、新型コロナウイルス感染症の流行が収束せず、研究スケジュールが全体的に遅れている。また、研究計画にも変更が生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究スケジュールの遅れについては、データセットの更新等により利用可能なデータを最大限活用しながら最終年度として研究成果をまとめる。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の流行が収束せず、データ収集等の研究進捗に影響が出たため、繰り越しが生じた。成果をまとめるために必要な研究補助、データ解析のための物品購入、成果発表に関わる費用に使用する予定である。
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