2019 Fiscal Year Research-status Report
高安動脈炎とクローン病との合併を引き起こす病態の解明と治療応用を目指した研究
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18K15841
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
田村 夏子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (70815597)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 高安動脈炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
高安動脈炎の病態解明のため、疾患関連遺伝子として見出されたMLX遺伝子について、病態との関連を研究している。 まず、in vivoの研究としては変異型MLX遺伝子のノックインマウスを作成し、繁殖させた。このノックインマウスと野生型マウスの比較を行ったところ、体重減少や小腸・大腸のリンパ節腫大などを認めた。大型血管については刺激がない状態では大きな異常は認められていない。このことは疾患の病態と一致している。 一方で、現在までに大型血管炎の動脈炎モデルマウスがないという状況から、このノックインマウスと野生型マウスを用いて、動脈炎モデルマウスを作成している。具体的には川崎動脈炎のモデルマウスの作成方法を試みた。その結果、野生型でも動脈の肥厚はみられたが、ノックインマウスでより重度の動脈肥厚を確認した。 さらに、MLX遺伝子が褐色脂肪細胞に多く存在するという自身の研究結果をヒントに、褐色脂肪細動特異的な分子UCP-1に注目し、UCP-1タンパクの自己免疫性を高める方法を試みたところ、上述の方法と同様に動脈炎モデルマウスを作成することができた。 in vitroの研究としては上述した理由から褐色脂肪細胞と血管増殖について研究を続けている。褐色脂肪細胞から一部の血管増殖因子が産生されることについては報告があるが、血管増殖因子を網羅的に解析するため、培養の褐色脂肪細胞に刺激を加えて抗体アレイキットを用いて有意に上昇する血管増殖因子について確認している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ノックインマウスの繁殖に時間を要したため
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Strategy for Future Research Activity |
in vivoの研究については現在の研究内容についてn数を増やしていき、有意差を確認していく。動脈炎の発症機序についてin vitroでタンパクレベルで解明していく方針である。
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Causes of Carryover |
ノックインマウスの作成と繁殖に予定より時間を要したため
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