2018 Fiscal Year Research-status Report
薬剤溶出性ステント留置後の血管修復反応の観察(動物実験モデルでの検証)
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18K15842
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
森 雅之 金沢大学, 附属病院, 医員 (30707526)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 薬剤溶出性ステント / 血管修復反応 / 内皮化 / 新生内膜 / 炎症反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
薬剤溶出性ステント留置後急性期における血管修復反応(内皮化)をブタモデルを用いて検証した。 薬剤溶出ステントに使用されるポリマーや薬剤は、ステント留置後の炎症反応により血管修復反応を遅延させると考えられている。本研究で使用するBioFreedomステントは、ポリマーのない新しい種類の薬剤溶出性ステントで、薬剤も血管接地面のみ塗布されており薬剤のコーティング様式も独特である。BioFreedomはその独自性からステント留置後の炎症反応が少なく、血管修復反応が早期起こると考えられている。Xience Alpine(ポリマーを介して薬剤がステントの全周性に塗布されている)と比較することでその仮説を動物実験で実証することを目的としている。 本研究は、BioFreedomステント12本(5日モデル6本、14日モデル6本)、Xience Alpineステント12本(5日モデル6本、14日モデル6本)を8頭のブタ冠動脈に留置する予定である。2018年度は、BioFreedomステント8本、Xience Alpineステント7本を5頭のブタに留置した。それぞれのステントにおいて、OCTによる画像診断、HE染色、走査型電子顕微鏡写真を用いて、血管修復反応の過程を観察した。作成済みのHE染色標本では、血管修復反応の過程を形態学的に観察し、各種パラメーターやスコアリングで、数量的に評価した。現在、実験途中であるが途中経過として、BioFreedomステントはXience Alpineステントと比較して、ステント留置後の炎症反応が少ない印象を受けた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定した実験内容の6割を終了している。残りの実験についても計画を立ててあり、2019年6月中旬までに終了する予定である。残りの、実験データの解析を考慮しても2019年度中に研究を終了できる予定となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
残りの実験(BioFreedomステント4本、Xience Alpineステント5本を3頭のブタに留置)を速やかに行う。画像診断、病理組織標本を用いて血管修復反応を数量的に評価し、2つのステント間で統計解析を行い、血管修復反応の過程の違いを明らかにする。
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Causes of Carryover |
平成30年度の助成金が余り、次年度に繰り越したため。 試薬品を購入予定。
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