2018 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of a functional screening method for disease susceptible variants in arrhythmogenic right ventricular dysplasia/cardiomyopathy.
Project/Area Number |
18K15844
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
和田 悠子 滋賀医科大学, 医学部, 客員助教 (90714874)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 遺伝子多型 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題初年度(2018年度)は、準備段階で得たデータの再現と、後述の安定発現細胞取得(および学内の遺伝子組み換え実験申請手続き)に多くの時間を割いた。また、2018年7月より研究留学のため渡米し実験を継続し、2019年5月までの期間中、本課題の今後の推進に関わる主要な技術を習得した。 本研究の成果発表は、セミナーでの発表などを含めて、現時点では達成出来ていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
目的①-[1] マウスDsg2によって維持される細胞接着性を検証する、[2] Dsg2多型D494A発現細胞では細胞間分布密度が減少している、[3] Dsg2安定発現細胞を用いた、細胞間接着密度と強度の定量評価。Dsg2非発現細胞(非ヒト細胞)に異種強制発現させた場合、変異型デスモグレイン2(以下Dsg2)を介する細胞間接着の緊密性が乏しいことを示した。目的①-[3]について、デスモグレイン2蛋白の安定発現細胞株の取得に時間を要している。従来のトランスフェクション-選択抗生剤を用いる手法ではチャイニーズハムスター卵巣細胞での安定発現は得られなかったため、ウイルス感染を介した安定発現株取得を目指し、学内の遺伝子組み換え実験の申請手続きを行った(2018年4月-6月)。 目的②[4] Fc-Dsg2分子を用いたDsg2の細胞間接着機能スクリーニング 未着手である。 目的③[5] Dsg2と相互作用しうる候補蛋白の同定と機能解析 Dsg2と相補的に結合しうる未知の蛋白の検出は、マウス心筋サンプル内に存在すると想定し、大腸菌体内で作成したGST融合型Dsg2をbait(餌)にしてpull downし、TOF-MSを複数回行ったが、質量分析過程でノイズ値が高く、候補蛋白の絞り込みは出来なかった(原因と対策は次項で後述)。
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Strategy for Future Research Activity |
目的③[5] Dsg2と相互作用しうる候補蛋白の同定と機能解析 十分量のマウス心筋サンプルを用いたにも関わらず、Dsg2と相補的に結合しうる未知の蛋白が検出されない原因として、①Dsg2が何ものとも協同していない、②協同しているが、結合の達成に糖鎖が関与しているために、大腸菌体内で作成したGST融合型Dsg2とは結合できない、可能性を考えた。 ②は、ヒト由来培養細胞を用いて分泌型蛋白を回収し、糖鎖を保存して蛋白を大量精製することで達成可能性がある。 申請者は、2018年7月より研究留学のため渡米することとなった。留学先研究室(以下、現研究室)では、遺伝性不整脈の感受性遺伝子多型の機能解析を、主にヒト細胞(培養ヒト細胞および人工多能性幹細胞)を用いて継続している。現研究室で、本課題実現上の問題点であった安定発現株取得に関して、遺伝子改変型ヒト細胞を用いた安定発現株取得を短期間で行う技術を習得した。また、現研究室でCRISPR/Cas9システムを用いた遺伝子ノックイン/ノックアウト技術を習得した。帰国後、すでに日本で保有しているヒト上皮系細胞の内因性DSG2をノックアウトし、そこにDSG2を安定発現させて細胞間接着距離を計測することが可能となる。本来シート状に生育するヒト上皮系細胞を用いることで、細胞あたり、単位面積あたりの細胞間接着インシデントが高くなることが期待でき、より細胞間接着能評価に信憑性を持たせることができる。2019年7月1日以降、現研究室での雇用形態の変更に伴い、日本での課題の遂行が困難となった(現研究室の研究のエフォートを100%とする必要が生じた)ため、同日をもって研究中断承認申請を行い、一旦本課題の実験を休止し、留学予定期間満了後帰国してから、上記の技術をもって、実験を再開する予定である。
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Causes of Carryover |
課題の遂行に遅延が生じたため、未使用額が生じた。
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