2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the cell protective mechanism of acetylcholinesterase variants in cardiomyocyte and approach to therapy for myocardial infarction
Project/Area Number |
18K15850
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
戸高 寛 高知大学, 教育研究部医療学系基礎医学部門, 助教 (80769662)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | AChE / AChE-R / 虚血性心疾患 / 細胞保護 |
Outline of Annual Research Achievements |
アセチルコリンエステラーゼ(AChE)は神経伝達物質アセチルコリン分解酵素として広く知られている。近年、神経伝達に関与しない組織や細胞においてもAChEを発現することが見出され、その機能の再考が求められている。これまでに、研究代表者は、AChEスプライシングバリアントのひとつであるReadthrough-AChE(AChE-R)の心臓における発現を見出している。加えて、心筋細胞において虚血ストレスに応じてAChE-Rの発現が上昇することを明らかにしている。これらの結果より、AChE-Rは虚血ストレスに対する細胞応答に関与することが考えられた。この仮説を検証するために、心臓AChE-R安定発現細胞株を用いて虚血ストレス条件下における細胞応答を検証した。その結果、虚血ストレス条件下のAChE-R安定発現細胞において、細胞死制御因子であるCaspaseの切断が抑制されること、および、Baxの発現が低下されること、細胞生存率が上昇することが明らかとなった。これらの結果は、心臓AChE-Rが虚血ストレスに対して細胞保護に作用することを示唆している。さらに、生体における心臓AChE-Rの細胞保護作用を明らかにするために、心臓特異的AChE-Rトランスジェニックマウスの作製を試みた。その結果、1系統の樹立および候補マウスの作出に成功した。現在、樹立したマウスに外科的処置による心筋梗塞を発症させ、線維瘢痕化のスコアリングや細胞死に関わる因子の発現を測定している。これらの解析により、生体における心臓AChE-Rの機能が明らかになると期待される。さらに、これらの結果および解析は、心臓におけるAChE-Rの細胞保護作用の機序解明、および、虚血性心疾患への心臓AChE-R過剰発現の臨床応用の礎となることが想定される。
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Research Products
(1 results)