2018 Fiscal Year Research-status Report
新規サーチュイン、Sirt7の動脈硬化進展に果たす役割と分子機序の解明
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18K15852
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
木村 優一 熊本大学, 大学病院, 非常勤診療医師 (70802073)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | atherosclerosis / sirt7 |
Outline of Annual Research Achievements |
動物実験としてApoEノックアウト(KO)マウスとSirt7 KOマウスを交配しSirt7/ApoE KOマウスを作成した。ApoE KOマウスとSirt7/ApoE KOマウスに高脂肪食負荷12 週間後の動脈硬化モデルを作成し、動脈硬化巣進展を比較検討した。その結果、Sirt7/ApoE KOマウスはApoE KOマウスと比較して、oil-Red-O染色陽性の動脈硬化巣の形成が抑制されることを見出した。またマクロファージや好中球といった炎症細胞の浸潤を、免疫染色にて評価したところ、Sirt7/ApoE KOマウスにおいてApoE KOマウスと比較し、有意に炎症細胞の浸潤が少ないことを見出した。 次に大動脈弓部のプラーク部由来のサンプルのRT-PCR解析を行った。その結果、Sirt7の欠如によりIL-6などの炎症性サイトカインの産生がSirt7/ApoE KOマウスにおいて有意に抑制されていることも見出した。 細胞実験として、マウス由来大動脈平滑筋を用いたin vitroの検討もおこなった。LPS刺激に対する炎症性サイトカインの産生をRT-PCRにて評価した。その結果、Sirt7ノックアウトマウス由来の大動脈平滑筋細胞は、野生型マウス由来の大動脈平滑筋細胞と比較して有意に炎症性サイトカインの産生が抑制されることを見出した。これらの所見はSirt7が炎症反応制御に関与していることを示唆する所見である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りのマウス実験も行えており、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
Sirt7がどのような機序で炎症反応に関与しているかを検証する。 具体的には大動脈弓部のプラーク部由来のサンプルからマイクロアレイの手法により、網羅 的にSirt7のターゲットシグナル、標的因子の探索を試みる。最後に組織特異的Sirt7 KOマウスとして平滑筋細胞特異的Sirt7 K Oマウス(SM22-Cre+/-×Sirt7flox/floxマウス)や骨髄移植モデルも作成して、いずれの血管構成細胞におけるSirt7の発現が 動脈硬化の進展に重要かを明らかにする。
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Causes of Carryover |
マイクロアレイによる評価を予定していたが、施行まで至らなかったため。
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