2020 Fiscal Year Research-status Report
新規サーチュイン、Sirt7の動脈硬化進展に果たす役割と分子機序の解明
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18K15852
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
木村 優一 熊本大学, 病院, 非常勤診療医師 (70802073)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Sirt7 / 動脈硬化 / 小胞体ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の研究にてSirt7×ApoEダブルノックアウトマウスではApoEノックアウトマウスと比較して高脂肪食負荷による動脈硬化の進展が抑制された。また動脈硬化巣での炎症細胞浸潤も抑制されており、小胞体ストレス応答のマーカーであるspliced XBP1(XBP1s)の発現が抑制されていた。XBP1sは小胞体ストレスセンターであるIRE1により制御されており、IRE1の抑制は炎症を抑制することで動脈硬化進展を予防することが報告されている(Proc Natl Acad Sci U S A. 2017)。これらの結果よりSirt7が小胞体ストレス応答の制御を介して動脈硬化進展に関与すると仮説を立てた。 本年度は上記仮説の検証のため培養血管平滑筋細胞を用いた検討を進めた。Sirt7の過剰発現により小胞体ストレスを誘導するTunicamycin (TM)刺激による炎症性サイトカイン(IL-6)の産生は亢進し、Sirt7のノックダウンは逆にIL-6の産生を減少させることを見出した。ままたSirt7の欠如によりTMにより導入されるIRE1の下流のシグナルであるJNKのリン酸化も減少していた。一方、その他の小胞体ストレスセンターであるATF6のPERKの活性化についてはSirt7の欠如は影響しなかった。そのためSirt7は小胞体ストレスセンサーであるIRE1の制御を介して炎症性サイトカインの産生を制御することで、動脈硬化進展に影響している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vitroの検討にてSirt7がIRE1経路を介して小胞体ストレス応答に関与することが示唆されており、おおむね順調に経過していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
Sirt7がどのような経路でIRE1を制御するかをin vitroで検討を進める予定である。
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Causes of Carryover |
本年度の使用予定の消耗品購入費が次年度に計画変更となったため。
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