2019 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of Heart Failure Treatment Strategy by Sympathetic Neural Remodeling -From the Viewpoint of Brain-Heart Connection-
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18K15854
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
野寺 穣 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 助教 (40769593)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Neural remodeling / BDNF / IML |
Outline of Annual Research Achievements |
心筋梗塞後の交感神経活性亢進には星状神経節(SG)のneural remodelingという形態学的変化を伴う神経活動亢進が関与していると考えられている。昨年までの研究で、心筋梗塞後においては脊髄中間外側核(IML: intermediolateral nucleus)も neural remodelingをきたし、それにはBDNF/TrkB経路の活性化が関与していることが示唆された。このことから、心筋梗塞後、交感神経系全体において神経リモデリング現象が生じ、それが更なる交感神経緊張を引き起こしている可能性があると考えた。本年度はneural remodelingを引き起こすBDNFを発現するNeuRetベクターを作成し、ベクターを心筋に接種し、それぞれの部位を支配する神経細胞体に標的タンパク質を発現させ、心不全モデルを作成することで、neural remodelingへの介入が可能かどうか検討を行う予定であったが、BDNFを発現するNeuRetベクターの作成が困難であった。心筋梗塞後の血中BDNFおよびNGF(Nerve growth factor)の測定も行ったが、control群と比較して一定の傾向は認められず、neural remodelingには神経細胞の局所的な神経栄養因子の変動が関係している可能性が考えられた。 Neural remodelingの分子メカニズムの一部を明らかにした本研究の成果は、慢性心不全における脳心連関への介入による心筋リモデリングや致死性不整脈の抑制という斬新な治療法の開発の基盤となる。
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