2023 Fiscal Year Annual Research Report
Pathological significance of myocardial infiltrating inflammatory cells in patients with dilated cardiomyaopathy
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18K15855
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
中山 貴文 名古屋市立大学, 大学院医学研究科 循環器内科学, 研究員 (00791154)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 心筋症 / 炎症細胞浸潤 / リンパ球 / マクロファージ / 樹状細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では臨床的にDCMの診断に至った症例の、保存された心筋生検検体を使用し、炎症細胞浸潤と臨床像の関連を検証した。 2015年から2019年に心筋生検を行った128例の臨床データは全て収集が済んだ。またTリンパ球、Bリンパ球、マクロファージ、樹状細胞、制御性Tリンパ球、MHCなどの染色と定量を行った。しかしこれら臨床データと病理データの関連を検証したが、現段階では報告に足る有意義な関連を見出す事は出来ていない。 臨床的DCMの診断が雑多であり、特に、左室壁肥大も合併した症例(高血圧性や末期肥大型心筋症など)、癌治療関連心機能障害(近年定義されたが2015年~2019年にはDCMと診断されている)、膠原病性などを多く含んでいる事が、データの一貫性の無さの原因となり、明らかな関連を観察できないものと思われる。また病理の画像データもアーチファクトが多く、定量にも誤差を生じている可能性がある事も理由の一つである。今回の染色条件については過去の報告を元に行ったが、今後も心筋検体での染色条件は検証が必要と考える。 現在心筋症における慢性炎症細胞浸潤においては、本研究のみならず他施設共同研究としても稼働しており、相互に結果や過程を検証しながら、引き続き本分野の検証におけるスタンダードの構築を行っていく。研究期間を過ぎてしまうが、本研究に関する報告を英文での論文化を進めていく。
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