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2018 Fiscal Year Research-status Report

心筋増殖転写因子の同定と急性期心筋梗塞の新規治療法の確立

Research Project

Project/Area Number 18K15861
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

萩庭 頌  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (00772584)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2020-03-31
Keywords再生医療 / 遺伝子治療 / 細胞周期
Outline of Annual Research Achievements

心筋細胞は胎児期では盛んに増殖するが、生後は再生能力をほとんど失うため、一度心筋障害を受けると回復は困難である。心臓再生法としてiPS細胞を体外で心筋に分化させて移植する心筋移植研究が盛んだが、腫瘍形成や移植心筋の生着など課題がある。
これに対して我々は、心臓内の自己の細胞から心筋を作製する、新しい心臓再生研究に取り組んでいる。これまでに世界に先駆けて、心臓内線維芽細胞に心筋特異的転写因子を導入し、心筋リプログラミングに成功した(Ieda et al, 2010 Cell)。本研究では、さらに胎児期心筋に特異的に発現する転写因子の中から、成熟心筋の分裂を促進させる新規因子を同定し、心筋自体を分裂させる新しい心臓再生法を開発することが主眼である。そして同転写因子による心筋細胞増殖制御の分子機構を解明することを目的にする。
まず、最初にin vitroのスクリーニングで新規心筋増殖転写因子を同定した。候補因子としては、胎児期心筋特異的に発現する24の転写因子を用いた。次にこの心筋増殖転写因子をin vivoの実験系に応用して、生体内の成熟心筋細胞を増殖可能な心筋にリプログラミングを行った。そして、この心筋細胞からRNAを抽出し心筋増殖転写因子による心筋細胞増殖の分子機構を解明を行っている。
さらに、心筋梗塞モデルマウスを作製し、アデノ随伴ウイルスベクターを用いてこの新規転写因子を遺伝子導入を行い、心筋再生治療を行う。また同様のアデノ随伴ウイルスベクターを用いて、新規転写因子をFucciマウスに遺伝子導入を行い、ランゲンドルフを用いたsingle cell解析で心筋細胞が生後に増殖を停止する分子メカニズム解明を目指す。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

現在、胎児期心筋特異的に発現する24の転写因子を用いたin vitroのスクリーニングで新規心筋増殖転写因子を同定を完了した。
具体的にはIn Vivo 環境にてラット心筋にレンチウイルスを用いた遺伝子導入を行った。そして、DNAの複製マーカーであるEdUを用いてFACS解析を行いDNA複製がなされた心筋細胞が増加することを確認した。さらに、その他の細胞周期マーカーであるKi67,PH3、AuroraBの抗体を用いた免疫染色を行い細胞周期が亢進していることを確かめた。
次にこの心筋増殖転写因子をin vivoの実験系に応用した。この新規心筋増殖転写因子が発現するアデノ随伴ベクターを作成した。そして、マウスの心臓に遺伝子導入を行い、免疫染色を行った。そして、BrdUやPH3といった細胞周期マーカーを用いて細胞周期が亢進していることを確認できた。現在、この心臓のRNAを抽出し心筋増殖転写因子による心筋細胞増殖の分子機構を解明を行っている。

Strategy for Future Research Activity

さらに、心筋梗塞モデルマウスを作製し、アデノ随伴ウイルスベクターを用いてこの新規転写因子を遺伝子導入を行い、心筋再生治療を行う。また同様のアデノ随伴ウイルスベクターを用いて、新規転写因子をFucciマウスに遺伝子導入を行い、ランゲンドルフを用いたsingle cell解析で細胞周期の亢進している心筋細胞を抽出し生後に増殖を停止する分子メカニズム解明を目指す。
現在、心筋梗塞モデルの作製に成功した。同レベルの梗塞巣をもつモデルを大量に作製するための習熟には時間を要しているがおおむね順調である。また、同時に心臓から心筋細胞を単離するためにランゲンドルフ手技の習熟に努めているが、心臓を摘出する際に心筋梗塞巣が癒着しており、剥離する際に穴が開き手技がうまくいかないことが判明した。
これに対しては心筋梗塞を作成する際に心膜を極力切開せず、また摘出時は心膜ごと摘出することで解決した。

Causes of Carryover

予定していた海外学会の参加がキャンセルとなったため。
余剰資金に関しては、本年度に別の海外学会の参加および論文掲載の費用とする。

  • Research Products

    (2 results)

All 2018

All Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results)

  • [Presentation] Identification of new myocardial growth factor and its application to cardiac regeneration2018

    • Author(s)
      Sho Haginiwa
    • Organizer
      国際心臓研究学会(ISHR)日本部会
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] Identification of new myocardial growth factor and its application to cardiac regeneration2018

    • Author(s)
      Sho Haginiwa
    • Organizer
      The 2nd JCS Council Forum on Basic CardioVascular Research
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2019-12-27  

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