2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K15866
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
山内 洋平 大阪医科大学, 医学部, 助教 (30734587)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 急性冠症候群 / 壁ずり応力 / 冠動脈CT / 数値流体力学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、冠動脈CT検査で撮像されるデータを用いて数値流体解析(Computed Fluid Dynamics: CFD)より得られる血管ずり応力(wall shear stress: WSS)や冠血流予備能比(FFR)を評価し、突然死を来す急性冠症候群(ACS)発症の関連を検討する研究である。 冠動脈CT検査を施行した後にACSを発症した該当症例の抽出は終了し、本年度は13例の数値流体力学解析が終了している。 解析結果では、ACSを発症した責任血管は、非責任血管と比較し血管壁にかかるWSSやOSI(oscillatory shear index:振動せん断指数)が高く、WSSやOSIはACS発症との関連が示唆される。 冠動脈疾患のスクリーニング検査として普及している冠動脈CT検査と数値流体力学解析を併用することで、ACS発症の予防やリスク層別化が可能となれば、冠動脈疾患患者における予後改善も期待できる。 次年度も症例数を増やし引き続き研究を継続する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
対象症例の抽出は終了し、現在は解析に移行しているが詳細な血管抽出が難しく、症例毎でtry and errorがあるため、1症例において血管抽出、流体力学的解析に時間を要した。 現在13症例の解析が終了しており、引き続き解析を続けている。
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Strategy for Future Research Activity |
ソフトウェア導入にて詳細な血管構築が可能となり、解析時間の短縮につながっている。 次年度中に、残りの症例の解析は終了可能であり、解析終了後、結果報告を行う予定である。
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Causes of Carryover |
流体力学解析には詳細な血管構築の必要があり、前段階の処理に時間を要し、予定していた症例の解析が遅れたため、期間延長を行い、次年度に研究費を使用することとした。 ソフトウェアの併用により、詳細な血管構築の処理、また処理の時間も短縮でき、予定していた症例の解析を進めている。次年度使用額は、引き続き冠動脈における流体力学評価のための受託解析費用に使用する予定である。
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