2020 Fiscal Year Annual Research Report
A new mechanism of coronary spastic angina: Possible role of beta-arrestin
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18K15875
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
花田 賢二 弘前大学, 医学研究科, 講師 (90632993)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 冠攣縮性狭心症 / βアレスチン |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の研究で得られた知見の再現性を確認するため、野生型のマウスの大動脈から血管平滑筋細胞を単離培養し、siRNAを用いてβ-アレスチン1またはβ-アレスチン2をノックダウンした。コントロールと比較し、β-アレスチン1のノックダウンではアセチルコリンに対する細胞内カルシウム濃度の上昇が有意に亢進し、これはカルシウムフリーのバッファー、あるいはジルチアゼムの前投与により消失した。また、β-アレスチン1のプラスミドをトランスフェクションして過剰発現させたところ、ノックダウンとは逆にアセチルコリンに対する細胞内カルシウム濃度の上昇が抑制され、この効果はカルシウムフリーのバッファーでは消失した。一方で、β-アレスチン2のノックダウンでは、細胞内カルシウム濃度の上昇に有意な効果を認めなった。アセチルコリンによるMyosin light chainおよびCa2+/calmodulin-dependent protein kinase IIのリン酸化には、βアレスチン1のノックダウンによる効果は認めなかった。血管平滑筋細胞A7r5において、βアレスチン1のノックダウンではコントロールと比較してアセチルコリンによる細胞内カルシウム濃度の上昇に有意な効果は認めなかったが、βアレスチン1の過剰発現においてはコントロールと比較してカルシウム濃度の上昇が抑制されていた。これらの結果より、マウスの大動脈から単離した血管平滑筋細胞において、β-アレスチン1はアセチルコリンによる細胞外からのカルシウム流入を抑制する作用を有し、血管収縮に抑制的に作用していることが示唆された。βアレスチンノックアウトマウスは、アメリカにおける新型コロナウイルス感染症の拡大に加えて、その後当施設の動物実験施設が改修工事となり、マウスをアメリカの研究室から譲渡していただくことができなかった。
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