2020 Fiscal Year Annual Research Report
A conprehensive analysis of plasma metabolites in patients with single ventricular physiolosy after Fontan operation
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18K15884
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
元木 倫子 信州大学, 医学部, 講師(特定雇用) (70750701)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | メタボローム / フォンタン術後 / 単心室血行動態 / フォンタン関連肝障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
フォンタン手術、周術期管理の進歩により、単心室患者の長期生存例が増加している。成人期を迎えたフォンタン術後の単心室血行動態を持つ症例は、心不全や不整脈などの心血管合併症だけでなく、その特有の血行動態から肝臓、腎臓、消化器など多臓器にも問題点を抱え、その特有の代謝特性が注目されている。本研究では、18歳以上のフォンタン術後患者について、代謝産物の網羅的解析であるメタボローム解析を用いて特有の代謝特性を明らかにすることを目的としている。 初年度は、登録時の初回評価から2年後までのBNP上昇、不整脈、心不全を主要評価項目としフォンタン術後患者21名、比較対照である二心室修復術後患者11名、健康対照群8名のリクルートが完了し、十分量の血漿サンプルを得ることができ、メタボローム解析を施行した。 2019年度は、フォンタン術後患者21名について、登録時(血漿サンプル採取時)より半年毎に病院受診時の血液検査結果、心電図や心臓超音波検査などの心機能評価結果などを診療録からの情報収集を継続した。 2020年度は、初年度に実施したメタボローム解析結果について、フォンタン術後群(F群)、二心室修復術後群(対照群1=B群)、健康対照群(対照群2=N群)の3群間で統計学的な解析を行った。有意な差のある代謝物を特定し、F群とその他の対照群とを分ける指標として有用な物質について多変量解析を用いて評価した。中でも、解糖系、クエン酸回路、尿素サイクルに関連する代謝物に注目し解析を施行したところ、クエン酸回路に関連するいくつかの物質がフォンタン術後症例で他の対照群と比較し血中濃度に差があり、関連があることがわかった。
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