2018 Fiscal Year Research-status Report
Treatment of myocardial infarction by a novel drug to reduce endoplasmic reticulum stress
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18K15888
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井手 裕也 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (20804206)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 虚血再灌流障害 / 再灌流後投与 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウス心臓虚血再灌流障害モデルを用いたKUS剤の効果について、現在までの検討では虚血誘導前にKUS剤を投与することで梗塞巣の改善効果を示した。実臨床での使用を考慮して、再灌流後の投与でも有効性を示せるか検討を行った。マウス心臓虚血再灌流障害モデルにおいて、再灌流直後に80mg/kgのKUS剤を尾静脈より投与し、同量を腹腔内投与した。その後は24時間毎に術後4日目まで160mg/kgのKUS剤を腹腔内投与した。術後7日目に心筋梗塞領域を組織学的に評価したところ、KUS投与群で有意に梗塞領域が減少した。 梗塞領域の減少が心機能の維持に寄与するか、虚血誘導前にKUS剤を投与したモデルで心エコーを評価したところ、投与群で有意に心機能が維持されたことを確認した。また、ATPを可視化できるATeamマウスを京都大学山本正道氏より提供いただき、同様のモデルで生体での心臓ATPを測定したが、虚血誘導時から再灌流1時間後まで有意にATPが維持されていることが判明した。 また、小胞体ストレスのマーカーとしてCHOPの発現を虚血誘導前にKUS剤を投与したモデルで評価した。虚血領域では有意な差は認めなかったが、虚血境界領域と正常領域においてCHOPの発現は有意に低下しており、生体でも小胞体ストレスの減少効果があることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の計画として、マウス心臓虚血再灌流障害モデルを用いてKUS剤の再灌流後投与での有効性の評価、心臓超音波検査による機能面での評価、ATP可視化マウスを用いた生体でのATPの測定、小胞体ストレスマーカーの評価を予定していたが、ほぼ全て実験を行えた。
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Strategy for Future Research Activity |
マウス心臓虚血再灌流障害モデルを用いたKUS剤の効果検討を引き続き行いたい。特に再灌流後に1回のみの投与によって有効性が確認出来るか、また、投与量を減少させても効果が確認出来るか、を組織学的に評価を行っていく。また、虚血誘導前のKUS剤投与モデルでも評価を行った、心エコーによる心機能の評価、ATPを可視化できるATeamマウスによるATPの評価、小胞体ストレスのマーカーとしてCHOPの発現の評価を行っていく予定である。 加えて、京都大学大学院医学研究科研究支援センターに設置されている細胞外フラックスアナライザーを用いて小胞体ストレス下(tunicamycin投与など)でのミトコンドリア機能に対するKUS剤の保護効果を明らかにする。
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Causes of Carryover |
マウス購入費・飼育費および組織標本作製費が予定より少なかった。次年度のマウスを用いた動物実験や生化学実験の費用として使用を予定している。
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