2018 Fiscal Year Research-status Report
自然リンパ球とマクロファージの相互作用に注目した動脈硬化の病態解明
Project/Area Number |
18K15897
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
牛込 恵美 (白石恵美) 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80440890)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 自然免疫リンパ系細胞(ILC) / 動脈硬化 / 糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
【具体的内容】平成30年度研究計画である、自然免疫リンパ系細胞(Innate Lymphoid cell, ILC)とマクロファージの相互作用による動脈硬化巣の形成にむけ、動脈硬化モデルマウスであるApoE欠損マウスと獲得免疫系細胞が存在しないRag2欠損マウスを交配した二重欠損マウス(Rag2・ApoE 二重欠損マウス)の繁殖を行い、特殊試料を給仕、動脈硬化巣を採取している。現在は動脈硬化巣ILCの評価を行っている。 【意義】本研究においては、自然免疫を担う自然リンパ球(Innate Lymphoid cell, ILC)に注目し、①マクロファージがILCから分泌されるサイトカインにより活性化され動脈硬化巣が進展する機構、②動脈硬化巣におけるILCを活性させるサイトカイン環境を明らかにする。さらに③ILCを制御することにより動脈硬化巣が退縮することを確認する。 もって、動脈硬化巣において、ILCが炎症を慢性化させる機構を明確にし、創薬標的としてのILCの重要性を描出する。本研究の成果から動脈硬化巣の炎症性サイトカイン環境を制御し、動脈硬化の進展を抑制するために、ILCが新しい治療標的になることが示される。 【重要性】免疫学の新規的知見に基づき糖尿病合併症の進行予防法を創出する意欲的な課題で、国家の医療財政上、最重要課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Rag2・ApoE 二重欠損マウスに高塩分動脈硬化食を給仕したところ動脈硬化の進展に伴い衰弱を認めた。このため、試料を給仕する週齢を8週齢から20週齢の12週間から16週齢から24週齢の8週間に短縮した。こうしたところ実験動物の衰弱が回避され、動脈硬化霜の評価を実施することができている。 動脈硬化病変が高度であったため、実験動物の衰弱があり、計画を変更したため研究計画に遅れが生じたが、現在この問題は解決している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進方策として下記の工夫を実施、継続する。 16週齢Rag2・ApoE 二重欠損マウスに高塩分動脈硬化食および動脈硬化食を給仕し24週齢での評価に変更し、予定されていた実験を終了させる。採取した大動脈はコラゲナーゼを用い破砕、得られた細胞混濁液からPercoll密度勾配遠心にて単核球細胞混濁液を抽出した。大動脈からの細胞抽出はその後検討を加え、コラゲナーゼを含む組織溶解液カクテルとし、抽出効率を改善した。表面染色を実施後透徹・固定し、核内転写因子T-bet, GATA3, Rog-gtを多重染色し、FACS CANTIIで評価することによりGATA3陽性の2型自然リンパ球の増加を確認した。マクロファージとの相互作用を確認する目的で動脈硬化巣ILCをセルソーターSH800を用いて分取している。分取したILCは<10000個と微量であったため、ex VIVOアッセイを改良した。現在、Sunnybrook Research Institute Zuniga-Pflucker博士のご厚意によりOP9-DL1システムを用いることでILCのex VIVOアッセイを可能としている。ex VIVOアッセイにてサイトカイン産生能を測定し、活性化状態を評価する。ILC抑制による動脈硬化進展を観察する目的でINFγ中和抗体(50μg/匹)、およびST-2抗体(50μg/匹)、Isotype control (50μg/匹)の投与を準備している。さらに大阪大学IFReC拠点長審良静男教授のご厚意でST2KOマウスを分与いただいたため、Rag2・ApoE・ST2 三重欠損マウスの系統樹立も同時に準備している。 研究計画にやや遅れが生じたが、研究計画を修正、実施することで予定されていた研究計画をすべて実施し、結果をまとめ、学会ならびに国際誌にて報告する予定である。
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Research Products
(2 results)